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MIDIキーボードは何鍵を選ぶべきか 49鍵・61鍵が定番な理由と、25鍵・88鍵の使いどころ

2025.07.23

MIDIキーボードは何鍵を選ぶべきか 49鍵・61鍵が定番な理由と、25鍵・88鍵の使いどころ

「MIDIキーボードを買おうと思ったけど、25鍵・49鍵・61鍵・88鍵があって、どれを選べばいいか分からない」。 そんな状態で家電量販店やサウンドハウスのページを行ったり来たりしていませんか。 鍵盤数の選び方は「自分が作る曲のスタイル」 と「ピアノ経験の有無」 で機械的に決まります。 順番にお話しします。

この記事の要点

DTM作曲を本気で始めるなら、49鍵か61鍵を選んでおけば失敗しません。 ピアノ経験ゼロで省スペース重視なら49鍵、ピアノを少しでも弾いた経験があるなら61鍵が標準です。 25鍵はサブ機・打ち込み専用、88鍵はピアノ演奏も両立したい人のためのもの。 JBG音楽院でも、社会人の受講生には49鍵か61鍵を推奨しています。

鍵盤数の選び方は「演奏スタイル」と「ピアノ経験」で決まる

MIDIキーボードの鍵盤数は、価格や見た目で決めるものではありません。 自分が作る曲で「どんな弾き方をするか」 と「ピアノを弾いた経験があるか」 の2つで、 ほぼ自動的に答えが決まります。

具体的には次の表のイメージです。

鍵盤数 音域 主な用途 こんな人におすすめ
25鍵 2オクターブ サブ機・打ち込み・ライブ携帯 メイン機を別に持っている人・カフェで作業する人
49鍵 4オクターブ DTMの標準・コード+メロディの片手弾き中心 ピアノ未経験+省スペース重視の初心者
61鍵 5オクターブ 両手でコード+メロディ・本格的なDTM ピアノ少し弾ける人・本気で続けたい人
88鍵 7オクターブ強 ピアノ演奏+DTM両立 ピアノ演奏もしっかりやりたい人・設置場所に余裕がある人

もう少し詳しく見ると、鍵盤数の差は「演奏のしやすさ」 と「設置スペース」 のトレードオフです。 鍵盤数が多いほど両手を使った演奏ができて表現の幅が広がりますが、その分デスクの大部分を占領します。 鍵盤数が少ないほどコンパクトに収まりますが、両手演奏は厳しくなり、頻繁にオクターブを切り替える操作が発生します。

そもそもMIDIキーボードを使ったことがない方は、MIDIキーボードの接続から音を出すまでの設定を先に押さえておくと、鍵盤数選びの判断もより具体的になります。

順番に4種類を見ていきましょう。

【25鍵】サブ機・打ち込み専用ならアリ

25鍵モデルは、コンパクトさと携帯性に特化した選択肢です。 横幅は40〜45cm程度で、ノートPCの隣に置いてもまったく邪魔になりません。 価格も5,000〜10,000円台が中心で手を出しやすいゾーンです。

ただし音域は2オクターブしかなく、両手を使ったコード弾きは構造的に無理があります。 「ド」 から2オクターブ上の「ド」 までしか鍵盤がないため、 ボイシング (コードの構成音の積み方) を確認したり、ベース+和音+メロディを別パートで弾き分けたりするには、頻繁にオクターブシフトボタンを操作する必要があります。

こんな人なら25鍵で正解

  • すでに61鍵以上のメイン機を持っていて、外出先用のサブを探している
  • ドラムの打ち込み (パッド代わり) しかしない
  • 主にマウス入力で曲を作り、 たまにピッチを確認する程度
  • カフェやコワーキングスペースで作業する機会が多い

逆に「最初の1台」 として25鍵を選ぶと、ほぼ確実に「鍵盤が足りない」 という壁にぶつかります。 鍵盤を覚えるための練習にもスケール (音階) の練習にも音域が狭すぎて、結局買い替えることになる人が多いです。

ちなみに、サブ機としての25鍵を使う場合でも、マウス入力からMIDIキーボード入力に切り替えるだけで作曲スピードがどう変わるかを知っておくと、25鍵でも十分に活躍する場面が見えてきます。

【49鍵】DTMの「標準サイズ」 ─ ピアノ未経験者の入口

49鍵は、 DTMの世界では「最初の1台」 として最もよく選ばれているサイズです。 横幅80cm前後・4オクターブの音域があり、 ベース・コード・メロディの基本パートはひと通り片手で弾けます。

ピアノ経験のない初心者にとっての最大の利点は、「練習のハードルが低い」 ことです。 88鍵のフルサイズだと「鍵盤楽器=難しいもの」 という心理的な壁を感じやすいですが、49鍵の物理的なコンパクトさは「日常的に触れる」 状態を作ります。 DTM作曲の入口としてはとても合理的な選択です。

こんな人なら49鍵がベスト

  • ピアノ・キーボードの演奏経験がほぼゼロ
  • 作る曲はJ-POP・ボカロ・EDM中心 (両手ピアノ演奏が必須ではない)
  • 机のスペースが限られている (横80cm前後が上限)
  • 予算1.5〜3万円程度に収めたい

注意点は、コードを両手で弾き分ける構成 (左手ベース+右手コード) が物理的に厳しい場面があることです。 ベース音域とコード音域が4オクターブの中に収まらないケースが頻発します。 ただし「コードはコピー&ペーストで打ち込む・メロディだけ弾く」 という作り方なら49鍵でも十分カバーできます。

【61鍵】JBGの推奨サイズ ─ 演奏性と省スペースの両立

61鍵は、 演奏性と設置スペースのバランスが最も取れているサイズです。 5オクターブの音域があり、 両手でコード+メロディを同時に弾く構成にも余裕で対応できます。 JBG音楽院で社会人の受講生におすすめしているのも、 ピアノ経験者は基本この61鍵です。

49鍵との実質的な差は「両手で弾けるかどうか」 です。 ピアノを少しでも弾いた経験のある方は、49鍵だと「音が足りない」 ストレスを感じやすく、61鍵にすると一気に表現の自由度が広がります。 また、5オクターブあれば、 ストリングス (バイオリン・チェロ等) の幅広い音域をひとつの鍵盤上で打ち込めるため、 アレンジの幅も広がります。

こんな人なら61鍵がベスト

  • ピアノ・キーボード・エレクトーンの経験が少しでもある
  • 両手を使った演奏で作曲したい
  • 本気でDTMを続けるつもりで、 5年使える1台を選びたい
  • 横幅100cm前後の設置スペースが確保できる

横幅は100cm前後、 重さは7〜10kg程度が標準です。 デスクの上にスタンドで置く運用が一般的で、 設置スペースの確保は事前にメジャーで測っておくことを強くおすすめします。

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【88鍵】ピアノ経験者のための最終形態

88鍵は、 アコースティックピアノ・電子ピアノと同じ鍵盤数で、 7オクターブを超える音域 (A0〜C8) をカバーします。 ピアノ演奏もDTM作曲も両立したい方には最終的な選択肢です。

最大の利点は「ピアノとして使える」 こと。 普段のピアノ練習にもMIDI入力にも同じ機材で対応できるため、 機材を二重に持つ必要がありません。 鍵盤のタッチもピアノに近い「ハンマーアクション」 や「セミウェイテッド」 を採用したモデルが多く、 演奏の感触が本物のピアノに近づきます。

こんな人なら88鍵がベスト

  • 普段からピアノを弾いていて、 DTMでもピアノ感覚を維持したい
  • クラシックやジャズなど、 音域を広く使うジャンルが中心
  • 設置スペース (横幅130cm以上) が確保できる
  • 予算5万円以上を機材に投じる余裕がある

難点は当然、 サイズと重さです。 横幅は130cm前後、 重さは10〜25kgと持ち運びは現実的ではありません。 また、 価格も5〜20万円とMIDIキーボードの中では高価格帯です。 「ピアノを弾けない人が88鍵を買う」 のは多くの場合オーバースペックで、 鍵盤数の半分以上を使わずに終わります。

逆にピアノを弾ける方は、ピアノ経験者がDTMで作曲スピードを上げるための具体的な手順を別記事で整理しています。 鍵盤数の選択と合わせて読むと、自分に最適な使い方が決まります。

鍵盤の「役割分担」が分かると、必要鍵盤数も見えてくる

「自分は本当に両手演奏する必要があるのか」 が分かると、 鍵盤数の選択はもう一段クリアになります。 プロのアレンジ現場でよく使われる考え方が「キーボードの役割を分化させる」 というアプローチです。

たとえば、 ピアノ系の音色で全体のコードを白玉 (全音符・二分音符) で弾き続けると、 アレンジが平坦に聞こえます。 そこで、 白玉のコード成分は プロのDTM講師が解説している ように、 シンセパッドのような長く伸びる音色に委ねて、 キーボード自体はリフやバッキングのような「動くパート」 に使うと、アレンジのカラーが一気に分化します。

この発想を取り入れると、 自分の作る曲で「キーボードが本当に両手必要か」 を見直せます。 たとえば、 ベース・コード白玉・メロディ・リフ をすべて別パートに分けて打ち込むスタイルなら、 キーボードでは「リフ+メロディの片手弾き」 だけで済むため、 49鍵で十分機能します。 逆に「キーボード1パートで曲全体の和声を弾き切る」 ピアノソロや弾き語り系の作り方なら、 61鍵以上は必須になります。

ピアノでメロディとコードを同時に弾く場合の効率的な弾き方として、 コードチェンジのダウンビート (拍頭) のみコードを鳴らし、 それ以外のメロディ区間ではコード省略で右手の負担を軽くする手法も知られています。 こうした「コードを毎拍鳴らさない」 演奏スタイルなら、 49鍵でも十分なケースは多いです。

鍵盤数を選ぶ前に「自分は曲の中でキーボードに何をさせるのか」 を一度考えてみてください。 答えが出れば、 必要な鍵盤数は自然と決まります。 鍵盤以外のノブ・パッド・モジュレーションホイールも作曲スピードに直結するため、MIDIコントローラーを使い切るための基本設定も合わせて押さえておくと、機材の能力を取りこぼしません。

JBG音楽院が49鍵・61鍵を推奨する理由

JBG音楽院では、 入学者にMIDIキーボードを必須機材として案内していますが、 鍵盤数は基本的に49鍵か61鍵を推奨しています。 理由は3つあります。

1つ目は「DTM学習に必要な音域がカバーできる」 こと。 JBGのカリキュラムで扱う音楽理論・コード進行・スケール練習は、 4〜5オクターブの範囲で完結します。 88鍵まで必要になるのは、 一部のクラシックピアノ的な演奏課題に限られます。

2つ目は「社会人の自宅環境に現実的に収まる」 こと。 入学者の多くは自宅の限られたスペースでDTM環境を組みます。 88鍵を置けるスペースを確保できる人は実は少数派で、 49鍵・61鍵なら通常のデスクに収まります。

3つ目は「学習挫折率が低い」 こと。 88鍵を最初に買った方が「大きすぎて出すのが億劫」 「机に置けず床に置いたら結局触らなくなった」 という挫折パターンに陥る例を、 教育現場で何度も見てきました。 鍵盤数は「大きければいい」 ではなく、「日常的に触れるサイズ」 を選ぶことが学習継続には大事です。

ピアノ未経験で始める方は49鍵、 ピアノを少しでも弾いた経験のある方は61鍵。 これがJBGとしての標準的な推奨です。 MIDIキーボード以外に必要なDTM機材一式は、DTM初心者に最低限揃えるべき機材にまとめてあります。

よくある質問

Q. ピアノ経験ゼロなら49鍵で十分ですか?

A. はい、49鍵で十分です。 J-POPやEDMをDTMで作る範囲なら、4オクターブの音域でほぼカバーできます。 ピアノを習いたいわけではなく「DTMで曲を作りたい」 という目的なら、49鍵が最もコスパの良い選択です。

Q. 子供のピアノ経験 (バイエル程度) があっても61鍵にすべきですか?

A. 体が両手演奏を覚えていれば61鍵がおすすめです。 49鍵だと「両手で弾きたいけど音域が足りない」 ストレスが出やすく、結局買い替えることになります。 過去にピアノを触った経験があるなら、最初から61鍵を選んでおくのが安全です。

Q. 25鍵を1台目に買うのは絶対にダメですか?

A. 「絶対ダメ」 とまでは言いませんが、 推奨はしません。 25鍵で打ち込みは可能ですが、 スケール (音階) を覚える練習や、 ベース+コードを弾き分けるDTMの基本動作が物理的に厳しくなります。 結果として「やっぱり49鍵を買い直す」 ことになる方が多いです。

Q. 88鍵を買ってDTMもピアノ練習も両立するのはアリですか?

A. アリです。 ピアノを本気で続けたい+DTMもやりたい、 という方には88鍵の一台二役は合理的です。 ただし設置スペース (横幅130cm以上) と予算 (5万円以上) が必要で、 「ピアノは弾かないけど大は小を兼ねる」 で買うとオーバースペックになります。

Q. セミウェイテッド・ハンマーアクション・シンセアクション、どれを選ぶべきですか?

A. ピアノ感覚を重視するならハンマーアクション、 軽快な打ち込み中心ならシンセアクション、 中間のバランスを取るならセミウェイテッドです。 49鍵・61鍵モデルではセミウェイテッドが多く、 ピアノ経験者でも違和感なく使えます。 88鍵モデルはハンマーアクションが主流です。

MIDIキーボードを揃えた次のステップ ─ DAW選定・音源プラグイン・ヘッドフォン・オーディオインターフェース等、DTMを本格的に始めるために必要な機材一式と本気度別の予算配分は、『社会人のDTM 始め方ロードマップ』(51ページPDF)に体系化しています。 機材選びで迷う方は、 全体像を1度確認しておくと迷子になりません。

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