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DTMに必要なものは5つ。初心者が最初に揃える機材と後回しにすべき機材の判断基準

2025.07.10

DTMを始めようとネットで機材を調べると、パソコン・DAW・オーディオインターフェース・MIDIキーボード・マイク・モニタースピーカーと、買うべきもののリストが際限なく出てきます。「全部揃えないと始められないのか?」と思うかもしれませんが、そうではありません。

JBG音楽院の入学者の70%はDTM未経験から始めています。その経験を踏まえると、最初に必要な機材は5つです。残りは上達してから必要になったタイミングで買い足す方が、予算も学習効率も無駄になりません。

この記事の要点

DTMに最低限必要なものは、パソコン・DAWソフト・オーディオインターフェース・モニターヘッドホン・MIDIキーボードの5つです。マイクやモニタースピーカーは制作スタイルが固まってから買い足せば問題ありません。総予算は13万〜27万円が目安です。

DTMに最低限必要な機材は何か

最初に揃える機材は以下の5つです。この5つがあれば、曲のアイデア出しからアレンジ、ミックスの入り口まで一通りの作業ができます。

機材 役割 予算目安
パソコン DAWソフトと音源を動かす本体 10万〜20万円
DAWソフト 作曲・編曲・録音・ミックスの作業場 無料〜6万円
オーディオインターフェース PCと外部機器の音声橋渡し + 高品質出力 1万〜3万円
モニターヘッドホン 原音に忠実な音で判断するための出力装置 1万〜2万円
MIDIキーボード 鍵盤で音を確認しながら打ち込む入力装置 0.5万〜2万円

合計の予算感は13万〜27万円程度です。パソコンを既に持っている場合は2.5万〜7万円で始められます。

「全部入りのDTMスターターセット」を購入する方もいますが、使いこなせない機材がデスクを占領してモチベーションが下がるケースが少なくありません。最初は必要最低限で始めて「この機能が欲しい」と自分で判断できる状態になってから買い足す方が、投資の精度が上がります。

パソコンに求められるスペックの基準は

DTM用のパソコンに求められるスペックは、CPU・メモリ・ストレージの3点で判断します。2026年時点での目安は以下です。

項目 最低ライン 推奨
CPU Intel Core i5 / Apple M1 Intel Core i7 / Apple M2以上
メモリ 16GB 32GB
ストレージ SSD 256GB SSD 512GB以上

メモリが8GBのPCでも作業自体は可能ですが、ソフトウェア音源を複数立ち上げると処理が追いつかなくなります。新規購入するなら16GB以上を選んでください。

MacとWindowsのどちらを選ぶかは、使いたいDAWで決まります。Logic ProはMac専用のため、Logic Proを使うならMac一択です。CubaseやStudio Oneであればどちらでも動作します。JBG音楽院ではLogic Proを標準環境として採用しており、Mac + Logic Proの組み合わせをおすすめしています。

MacとWindowsの選び方をより詳しく知りたい場合は、DTM用パソコンのスペック選びで失敗しないための基準を参照してください。

DAWソフトはどう選べばいいのか

DAW(Digital Audio Workstation)は、作曲・編曲・録音・ミックスのすべてを行うソフトウェアです。どのDAWを選んでも「曲を作る」という目的は達成できますが、操作感や得意ジャンルに違いがあります。

主要なDAWの特徴を整理します。

DAW 価格 OS 特徴
Logic Pro 約3万円 (買い切り) Mac専用 コスパ最高。付属音源・エフェクトが豊富。J-POP/ポップス向き
Cubase 約6万円 (Pro) Win/Mac MIDI編集・ボーカル編集が精密。映画音楽やオーケストラにも対応
Studio One 約5万円 (Pro) Win/Mac 直感的なUI。ドラッグ&ドロップ操作が得意。統合マスタリング機能
Ableton Live 約9万円 (Suite) Win/Mac 電子音楽・ライブパフォーマンスに強い。ループベースの制作が得意
FL Studio 約6万円 (Producer) Win/Mac ビートメイク向き。生涯無料アップデート。ヒップホップ・トラップに強い
GarageBand 無料 Mac/iOS Logic Proの簡易版。入門に最適。Logic Proへそのまま移行可能

初めてのDAW選びで最も避けるべきは「評判だけで決めること」です。30日間の無料体験版が用意されているDAWが多いので、実際に操作して自分の手に合うかを確かめてください。

DAWの選び方についてはDAWソフトの比較と選び方でさらに掘り下げています。

オーディオインターフェースはなぜ必要か

オーディオインターフェースは、パソコンと外部の音声機器を接続する装置です。ギターやマイクの音をPCに取り込む入力と、PCの音をヘッドホンやスピーカーに出す出力の両方を担います。

「PCのイヤホン端子で十分では?」と思うかもしれません。確かに、打ち込みだけの作業であればPC内蔵の音声出力でも曲は作れます。ただし、内蔵オーディオには2つの弱点があります。

1つ目は遅延(レイテンシ)です。MIDIキーボードを弾いたりソフトウェア音源を鳴らしたりする際に、音が遅れて聞こえます。オーディオインターフェースのASIOドライバ(Macの場合はCore Audio)を使うと、この遅延を体感できないレベルまで抑えられます。

2つ目は音質です。内蔵DACはノイズフロアが高く、ミックス時に音量バランスやEQの判断を誤りやすくなります。1万円台のインターフェースでも内蔵出力とは明確に差が出ます。

初心者向けの定番は、Focusrite Scarlett Solo (約1.5万円)やSteinberg UR22C (約1.8万円)です。入力2ch・出力2chあれば、ボーカル録音やギター録音を含むほとんどの作業に対応できます。

⏵ 機材選びで迷っている方へ

パソコン・DAW・オーディオインターフェースの選定は、自分の目指す方向性によって最適解が変わります。JBG音楽院が制作した51ページのロードマップPDFでは、機材5カテゴリの本気度別予算とMac+Logic Pro推奨の業界根拠を整理しています。

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モニターヘッドホンは普通のイヤホンと何が違うのか

モニターヘッドホンは、原音を忠実に再生することを目的とした製品です。一般的なリスニング用イヤホンやヘッドホンは低音を強調したり高音にツヤを加えたりして「聴いていて気持ちいい音」に調整されていますが、モニターヘッドホンはそうした色づけがありません。

なぜそれが重要かというと、色づけのある環境でミックスすると、他の再生環境(スマートフォンのスピーカー、カーオーディオ、別のイヤホン)で聴いたときに音のバランスが崩れるからです。「自分の環境では低音がちょうどよかったのに、スマホで聴いたら低音が全然聞こえない」という問題が起きます。

定番はSONY MDR-CD900ST (約1.5万円)とaudio-technica ATH-M50x (約2万円)です。MDR-CD900STは日本のレコーディングスタジオで事実上の標準機として数十年使われてきた実績があります。ATH-M50xは低音の再現性が高く、電子音楽やヒップホップ系の制作で好まれています。

集合住宅で深夜に作業する場合、モニタースピーカーの導入は難しいことが多いです。そのためヘッドホンは「最初から買うべき機材」に入ります。モニタースピーカーは作業環境が整ってから検討すれば十分です。

MIDIキーボードはなぜ最初から必要か

MIDIキーボードは、DAW上で鍵盤を弾いてMIDIデータを入力するための装置です。マウスのピアノロール入力でも音符は打ち込めますが、鍵盤で実際に音を鳴らしながら作業することには、マウスでは得られない大きな利点があります。

コードやメロディを「指で弾いて耳で確認する」プロセスは、音楽理論の理解と直結します。画面上でノートをクリックするだけでは、音程の距離感やコードの響きの違いが身体に染み込みません。鍵盤を使って「この音を半音下げたらどう響くか」を即座に試せる環境があるかどうかで、作曲力の伸びに差が出ます。

JBG音楽院でもカリキュラムの土台に鍵盤スキルを据えています。イヤートレーニングや和声の授業では鍵盤での実演が前提になるため、DTMを本気で続けるなら最初から手元に置いておくべき機材です。

最初は25鍵〜49鍵のコンパクトモデルで十分です。KORG microKEY (約5千円)やAKAI MPK mini (約1万円)など、デスクに置いても場所を取らないサイズから始められます。88鍵のフルサイズは、ピアノ演奏を本格的に練習する段階で検討してください。

まだ買わなくていい機材と買い時の判断

以下の機材は、DTMを始めた直後には必要ありません。ただし、制作を続けていくなかで必要になるタイミングがあります。そのタイミングを判断する基準も併せて整理します。

コンデンサーマイク

ボーカル録音やアコースティック楽器の収録に使います。打ち込み中心の制作であれば、当面は不要です。買い時は「自分の歌や楽器を録音したい」という具体的な目的が出てきたときです。audio-technica AT2020 (約1万円)が入門の定番です。

モニタースピーカー

ヘッドホンだけでは把握しにくい低音の広がりや音の定位を、空間で確認するための機材です。ただし、部屋の反響が大きいとスピーカーの性能を活かしきれません。買い時は「自分の作業部屋で音量を出せる環境がある」場合です。YAMAHA HS5 (ペア約4万円)が定番です。

ソフトウェア音源・プラグイン

DAWに付属する音源やエフェクトで最初は十分です。「付属のピアノ音源ではリアルさが足りない」「このジャンル特有の音色が欲しい」と具体的に感じたときが買い時です。漠然と「いい音源があれば曲が良くなる」と考えて買うと、使いこなせずに終わります。

まとめ

DTMに最低限必要なものはパソコン・DAWソフト・オーディオインターフェース・モニターヘッドホン・MIDIキーボードの5つです。マイク・モニタースピーカー・追加音源は、制作を進めるなかで必要性を感じたタイミングで買い足してください。

「最初からすべて揃えなければ始められない」という誤解が、DTMの入り口で最大のハードルになっています。5つの機材があれば曲は作れます。まずは最低限の環境で1曲完成させることが、次に必要なものを自分で判断する力につながります。

機材5カテゴリの本気度別予算とおすすめ機種の詳細は、『社会人のDTM 始め方ロードマップ』(51ページPDF)で体系的に整理しています。

よくある質問

Q. DTMを始めるのに最低いくら必要ですか?

A. パソコンを既に持っている場合は2万〜5万円、新規にすべて揃える場合は12万〜25万円が目安です。GarageBand(無料)から始めれば、DAWの費用はゼロにできます。

Q. オーディオインターフェースなしでDTMはできますか?

A. 打ち込みだけであればPC内蔵オーディオでも作業は可能です。ただし、遅延(レイテンシ)と音質の問題があるため、本格的に続けるなら早い段階で導入をおすすめします。

Q. MIDIキーボードは25鍵と49鍵どちらがいいですか?

A. デスクのスペースが限られるなら25鍵、コードを両手で弾きたいなら49鍵がおすすめです。88鍵はピアノ演奏を本格練習する段階まで不要です。

Q. DTM用パソコンはMacとWindowsどちらがいいですか?

A. 使いたいDAWで決まります。Logic Pro(Mac専用)を使うならMac一択です。Cubase・Studio One・FL Studioであればどちらでも動作します。JBG音楽院ではMac + Logic Proを標準環境としています。

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