毎日のスキマ時間でOK！相対音感を飛躍的に向上させる簡単トレーニングメニュー５選

「相対音感を鍛えたいけれど、まとまった練習時間が取れない」「音感トレーニングアプリを入れてみたけれど、三日坊主で終わってしまった」

社会人として働きがら音楽制作をしていると、どうしても「耳の訓練」は後回しになりがちです。しかし、相対音感は特別な才能ではなく、筋トレと同じで「毎日の積み重ね」によって誰でも確実に向上させることができます。

実は、机に向かってペンを持つ時間だけが練習ではありません。通勤電車の中、家事の合間、入浴中など、日常の「スキマ時間」こそが最強のトレーニングタイムになるのです。

この記事では、忙しいあなたでも無理なく続けられる、効果的な相対音感トレーニングメニューを5つ厳選してご紹介します。今日から「耳の筋トレ」を習慣化して、プロのような「使える耳」を手に入れましょう。

なぜ「スキマ時間」のトレーニングが有効なのか？

脳の聴覚野を鍛えるには、長時間の詰め込み練習よりも、「短時間でも頻繁に音を意識すること」の方が効果的だと言われています。

例えば、週末にまとめて3時間練習するよりも、毎日10分ずつ音程を意識する時間を作る方が、脳への定着率は高まります。つまり、忙しい社会人こそ、相対音感の習得には有利な環境にあるとも言えるのです。

メニュー1：【通勤中】「インターバル」のしりとり

頭の中で音を鳴らすイメージトレーニングです。特別な道具は一切不要です。

やり方

1. 基準となる音（例：ド）を頭の中で鳴らします。
2. そこから「完全5度上（ソ）」「長3度下（ラ♭）」といった具合に、インターバル（音程）を指定して次の音をイメージします。
3. しりとりのように、「ド→（5度上）→ソ→（3度下）→ミ…」と音を繋げていきます。

最初は「ドレミ」の階名で考えてもOKです。慣れてきたら「度数」で考えるようにすると、実際の作曲やコード分析に役立つ脳の回路が作られます。

メニュー2：【移動中】既存曲の「階名」変換クイズ

スマホで音楽を聴きながらできるトレーニングです。普段聴いている曲を教材にします。

やり方

1. 知っている曲、またはシンプルな童謡などを再生（または脳内再生）します。
2. そのメロディを、歌詞ではなく「ドレミ（移動ド）」の階名に変換して歌います（心の中でOK）。

例えば『カエルの歌』なら、「ドレミファミレド」と変換します。これにより、「聞こえたメロディを瞬時に階名（相対的な音の機能）に変換する処理能力」が劇的に向上します。

メニュー3：【休憩中】環境音の「ピッチ当て」ゲーム

街中やオフィスには、様々な「音程のある音」が溢れています。

• エレベーターの到着音：「ピンポーン」は「ド・ソ（完全5度）」かな？
• 救急車のサイレン：「ピーポー」は「シー・ソー（短3度）」かな？

このように、日常の音に対して「今の音程はなんだろう？」と意識を向ける癖をつけるだけで、相対音感の感度は飛躍的に高まります。手元にスマホのピアノアプリがあれば、正解を確認してみましょう。

メニュー4：【入浴中】「ルート音」ハミング

お風呂のリラックスタイムを利用して、低音（ベース）を聞き取る感覚を養います。

やり方

1. 頭の中で好きな曲を流します。
2. その曲のメロディではなく、一番低い「ベース音（ルート音）」をハミング（鼻歌）で歌います。

コード進行の土台となるルート音を追えるようになると、相対音感だけでなく、耳コピのスキルも同時にアップします。お風呂のエコーがかかった環境は、自分の声を客観的に聴くのにも適しています。

メニュー5：【就寝前】5分間の「アプリ」習慣

寝る前の5分間だけ、音感トレーニングアプリを活用します。ゲーム感覚でできるものがおすすめです。

おすすめの設定

アプリを使う際は、闇雲に難易度を上げず、以下の設定で「正解率100%」を目指してください。

• 範囲を絞る：まずは「Cメジャー（白鍵）」のみに限定する。
• 音域を絞る：1オクターブ以内にする。

「なんとなく」ではなく「確信を持って」答えられる範囲を少しずつ広げていくことが、挫折しないコツです。

JBG音楽院が考える「継続」の重要性

相対音感の習得において最も重要なのは、JBG音楽院の基本方針でもある「段階的な学習（Core→Main）」と同様に、基礎を毎日積み上げることです。

プロの作曲家であっても、日々の生活の中で常に音を分析し、耳のチューニングを行っています。DTMというデジタルな環境で制作を行うからこそ、こうしたアナログな身体感覚（聴覚）を常に研ぎ澄ませておくことが、作品に人間味と説得力を与えるのです。

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まとめ：日常のすべてがトレーニングになる

今回は、スキマ時間でできる相対音感トレーニングメニューを5つ紹介しました。

• インターバルしりとり
• 階名変換クイズ
• 環境音ピッチ当て
• ルート音ハミング
• 就寝前のアプリ習慣

これらを一度に全てやる必要はありません。まずは「これならできそう」と思うものを一つ選び、明日の通勤時間から試してみてください。

「意識して音を聴く」。たったそれだけの習慣が、1年後、あなたの音楽人生を大きく変えているはずです。

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