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なぜプロは「C」や「G」ではなく「Ⅰ」や「Ⅴ」で会話するのか?移調も分析も自由自在になる「度数」の秘密

2025.08.10

なぜプロは「C」や「G」ではなく「Ⅰ」や「Ⅴ」で会話するのか?移調も分析も自由自在になる「度数」の秘密

「バンドメンバーが『サビは4度(Ⅳ)から入ろう』と言っていたけど、何のことか分からなかった…」「キーが変わると、覚えたコード進行が全く分からなくなってしまう」「楽譜の『Cmaj7』や『F#m7(♭5)』といった記号が、呪文にしか見えない」

音楽理論を学び始めると、こうした「記号」や「数字」の壁にぶつかることがよくあります。

実は、プロのミュージシャンたちが会話で「C」や「G」といったコード名よりも、「イチ(Ⅰ)」や「ゴ(Ⅴ)」といった数字(度数)を好んで使うのには、明確な理由があります。

この記事では、音楽の共通言語である「コードネームの解読法」と、キー(調)に縛られずに音楽を理解するための魔法のツール「度数(ディグリーネーム)」について解説します。これを知れば、どんな複雑なコードも怖くなくなり、移調(キーチェンジ)も頭の中で瞬時にできるようになります。

プロが「度数(ディグリー)」を使う理由

結論から言うと、プロが度数を使うのは「相対的な関係性」を見ているからです。

例えば、カラオケでキーを上げ下げすることを想像してください。
キーが変われば、当然「C」や「G」といった具体的なコード(絶対的な名前)は全て変わってしまいます。しかし、曲の構造やメロディの動きといった「関係性」は変わりません。

この「変わらない関係性」を表すのが「度数(ディグリーネーム)」です。
「CメジャーキーのCコード」も「GメジャーキーのGコード」も、そのキーの主役(トニック)という意味では同じ「Ⅰ(一度)」です。
プロは、この「Ⅰ」という本質を見ているため、どんなキーに移調しても瞬時に演奏ができるのです。

ステップ1:まずは「コードネーム」を分解しよう

度数の話に進む前に、まずは楽譜に書かれている「Cmaj7」などの記号を読めるようにしましょう。
これは丸暗記する必要はありません。以下の3つの要素に分解すれば、誰でも意味がわかります。

1. ルート(根音):主役の音

一番左の大文字アルファベットです(例:Cmaj7)。
これは「そのコードの一番下にある土台の音」を示します。

2. クオリティ(種類):コードの性格

ルートの横にある記号です(例:Cm、Cmaj7)。
ここで「明るい(メジャー)」「暗い(マイナー)」「おしゃれ(セブンス)」といった響きの性格が決まります。

  • 何もなし(例:C): 明るい(メジャー)
  • m(例:Cm): 暗い(マイナー)
  • maj7 / △7: おしゃれで浮遊感がある(メジャーセブンス)
  • 7: ブルージーで不安定(セブンス)

3. テンション(装飾):味付け

カッコ書きや右上の数字です(例:Cmaj7(9))。
これは基本の響きに加える「スパイス」です。料理で言えば「塩胡椒」のようなもので、無くても成立しますが、あるとより豊かになります。

つまり、コードネームは「暗号」ではなく、「材料(音)の説明書」なのです。

ステップ2:「度数(ディグリーネーム)」で普遍的な法則を知る

コードネームが読めるようになったら、それを「度数」に変換してみましょう。
度数は、そのキーの「ドレミファソラシ」を「ⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦ」というローマ数字に置き換えるだけです。

Cメジャーキーの場合

  • ド (C) =
  • レ (Dm) = Ⅱm
  • ミ (Em) = Ⅲm
  • ファ (F) =
  • ソ (G) =
  • ラ (Am) = Ⅵm
  • シ (Bm-5) = Ⅶm(♭5)

この「ダイアトニックコード」の並び順と機能については、以下の記事で詳しく解説しています。ここを理解すると、度数の便利さがさらに分かります。

度数(ディグリー)を使うと、こんなに便利!

1. 移調(キーチェンジ)が一瞬でできる

例えば、大ヒット曲によくある「王道進行」は、度数で言うと「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm」です。
これを覚えておけば、キーがCなら「F→G→Em→Am」、キーがGなら「C→D→Bm→Em」と、パズルのように当てはめるだけで、あらゆるキーで同じ進行を再現できます。

2. 楽曲分析(アナライズ)が深まる

「この曲のサビが良い!」と思った時、コード名だけで覚えていると応用が利きません。
「なるほど、ここは『Ⅳ→Ⅴ』と動いているから盛り上がるんだな」と度数で理解することで、その「感動の構造」を自分の曲に持ち込んで使うことができるようになります。

実際にヒット曲で使われている「度数のパターン(定番進行)」については、以下の記事で具体的に紹介しています。

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まとめ:記号を味方につければ、音楽はもっと自由になる

コードネームは「音の成分表」、ディグリーネームは「音の役割表」です。
この2つを理解することは、音楽という建物の「設計図」を読めるようになるのと同じです。

最初は難しく感じるかもしれませんが、まずは「自分の好きな曲のコードを度数に変換してみる」ことから始めてみてください。きっと今まで見えなかった音楽の仕組みが見えてくるはずです。

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