
【ゲームSE制作編】初心者向け効果音(SE)作成の基本ステップとおすすめツール紹介
「ゲームのBGMだけでなく、あの爽快な攻撃音や心地よい決定音も自分で作ってみたい!」「効果音(SE)制作に興味があるけど、何から始めたらいいか全く分からない…」「サウンドデザインって、専門的で難しそう…」そんな風に感じていませんか?ゲームの世界において、プレイヤーのあらゆるアクションに反応し、没入感を高める効果音(SE)は、BGMと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な役割を担っています。効果音(SE)は、ゲームの臨場感やプレイヤーの没入感を高める非常に重要な要素です。この記事では、効果音の基本的な種類(環境音、アクション音、UI音など)から、録音、編集、加工といった制作の基本ステップ、そして初心者にもおすすめの無料・有料ツールまでを分かりやすく解説します。JBG音楽院では、サウンドデザインの基礎も学べますので、ぜひ第一歩を踏み出してみましょう。
効果音(SE)とは?ゲームの世界に命を吹き込む「音の演出」
効果音(SE: Sound Effects)とは、BGM以外の、ゲーム内で発生する全ての音を指します。キャラクターの足音、剣がぶつかり合う音、魔法が炸裂する音、メニュー画面でカーソルを動かす音、ボタンを押した時の決定音…。これら一つひとつの音が、ゲームの世界にリアリティと手触り感を与え、プレイヤーの行動に対して「音が返ってくる」というインタラクティブな楽しさを生み出します。
優れたSEは、プレイヤーに情報を伝え(例:敵が近くにいる気配)、行動を促し(例:アイテムゲット時の気持ち良い音)、そして世界観そのものを構築します。BGMが映画の「音楽」なら、SEは「効果音」や「フォーリー(登場人物の動作によって生じる音)」にあたり、両方が揃って初めて、豊かなサウンドデザインが完成するのです。このようなゲームサウンド全体の制作は、当音楽院のブログ記事である「ゲーム音楽クリエイターになるには?仕事内容・年収・求められる才能を徹底解説」でも解説している通り、ゲーム音楽クリエイターの非常に重要な仕事の一部です。

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ゲームSEの主な種類:どんな音を作る必要がある?
ゲームSE制作と一言で言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは、代表的なSEの種類を4つに分けてご紹介します。
1. アクション音(攻撃音、足音、着地音など)
プレイヤーやキャラクターの行動に直接対応する音です。剣で斬りつける「シャキン!」という音、パンチがヒットした時の「バシッ!」という重い音、キャラクターが走る足音、ジャンプして着地した時の音などがこれにあたります。プレイヤーが操作してすぐに反応が返ってくるため、気持ちよさや爽快感といった「手触り」を演出する上で非常に重要です。
2. 環境音(アンビエンス):世界の空気を作る音
そのステージや空間の「空気感」を演出するための背景音です。森の中の鳥のさえずりや風の音、洞窟内の水滴の音や反響、都会の喧騒などが含まれます。これが流れているだけで、プレイヤーはゲームの世界にいるかのような没入感を得ることができます。BGMと調和しつつ、その場の雰囲気をさりげなく作り上げる繊細な音作りが求められます。
3. UIサウンド(カーソル音、決定音、キャンセル音など)
UI(ユーザーインターフェース)とは、メニュー画面や選択肢など、プレイヤーがゲームを操作するための画面のことです。UIサウンドは、カーソルを動かした時の音、ボタンを押した時の決定音、ウィンドウが開いたり閉じたりする時の音など、プレイヤーの操作が正しく認識されたことを知らせるための重要なフィードバックです。心地よいUIサウンドは、プレイヤーのストレスを軽減し、ゲーム体験全体の快適さを向上させます。
4. フォーリーサウンド:キャラクターの衣擦れや小道具の音
元々は映画制作の用語で、登場人物の動きによって生じる様々な音を指します。ゲームにおいては、キャラクターの衣服が擦れる音、鎧がカチャカチャと鳴る音、ポーションを飲む音、巻物を開く音などがこれにあたります。これらは必須ではありませんが、丁寧作り込まれていると、ゲーム世界のリアリティが格段に増します。
DTMでの効果音の作り方:基本の5ステップ
それでは、実際にDAW(楽曲制作用ソフト)を使って効果音を作るための基本的な手順を5つのステップで見ていきましょう。
ステップ1:音の設計「どんな音が必要か?」
まず、どのような音を作りたいのか、その目的とイメージを明確にします。例えば「剣で敵を斬りつけた時の音」であれば、「軽い金属音か、重い一撃か?」「プレイヤーに爽快感を与えたいのか、残虐な印象を与えたいのか?」といったことを考え、音のキャラクターを設計します。これが全ての土台となります。
ステップ2:素材の収集「音を録るか、探すか、作るか」
設計した音を作るための元となる「素材」を用意します。方法は主に3つあります。
- 録音(フィールドレコーディング): マイクを持って実際に外に出て、必要な音を録音します。例えば、金属を叩く音、布が擦れる音、風の音など。スマートフォンの録音機能でも、最初のうちは十分に素材集めができます。
- 効果音素材サイトの利用: インターネット上には、無料で利用できる効果音素材サイトが数多く存在します。そこからイメージに近い音を探してダウンロードします。(利用規約は必ず確認しましょう)
- シンセサイザーでの作成: 爆発音やビーム音、UIサウンドといった現実には存在しない音は、シンセサイザーを使ってゼロから作り出します。
ステップ3:DAWでの編集「不要な部分をカットし、整える」
収集した素材をDAWに取り込み、編集作業を行います。録音した素材であれば、不要なノイズを除去したり、必要な部分だけを切り出したりします。この段階で、音の立ち上がり(アタック)や余韻(リリース)を調整し、効果音としての基本的な形を整えます。
ステップ4:音の加工「エフェクトでキャラクターを付ける」
編集した素材に、DAWのプラグインエフェクトを使って加工を施し、設計した音のイメージに近づけていきます。
- EQ(イコライザー): 特定の周波数帯域を強調・カットし、音の明るさや質感を調整します。
- コンプレッサー: 音の粒を揃え、アタック感を強調します。
- リバーブ/ディレイ: 残響を加え、音に空間的な広がりを与えます。
- ピッチシフト/ディストーション: 音の高さを変えたり、歪ませたりして、全く新しいサウンドに変化させます。
複数の素材をレイヤー状に重ねて、より複雑でオリジナリティのあるサウンドを作り出すことも重要です。
ステップ5:最終調整と書き出し
完成した効果音の音量を最終調整し、ゲーム内で使われることを想定したファイル形式(WAVが一般的)で書き出します。この際、複数の効果音の音量バランスがバラバラにならないよう、ある程度の基準を設けておくことも大切です。
サウンドデザイン初心者におすすめのツール&ソフト
ゲームSE制作を始めるにあたり、初心者でも扱いやすいおすすめのツールやソフトウェアをご紹介します。
DAW(Digital Audio Workstation):全ての土台
BGM制作と同様に、効果音制作もDAWが中心となります。無料のもの(GarageBand, Cakewalk by BandLabなど)から有料のもの(Cubase, Logic Pro, Studio Oneなど)まで様々ですが、基本的なオーディオ編集機能があれば、どのソフトでも制作は可能です。まずは体験版などを試してみると良いでしょう。
オーディオ編集ソフト(波形編集ソフト)
DAWとは別に、波形編集に特化したソフトウェアもあると便利です。特に「Audacity」は、無料で利用できるにもかかわらず、ノイズ除去やピッチ変更、様々なエフェクトなど、非常に高機能な定番ソフトです。
シンセサイザー(ソフトウェア音源)
シンセサイザーは、電子的な効果音を作成するのに不可欠です。DAWに付属しているものでも十分ですが、近年では「Vital」や「Surge XT」といった、無料で使える非常に高機能なソフトシンセも存在します。
フィールドレコーダーとマイク
より本格的に音の素材を録音したい場合は、専用のフィールドレコーダーやマイクがあるとクオリティが格段に向上します。最初はスマートフォンのマイクから始め、必要に応じて導入を検討すると良いでしょう。
無料の効果音作成ソフト&素材サイト
「sfxr」や「Bfxr」といった、レトロゲーム風の効果音を簡単に生成できる無料ソフトウェアも面白いツールです。また、「効果音ラボ」や「DOVA-SYNDROME」といったサイトでは、規約の範囲内で無料で利用できる効果音素材が多数公開されています。これらを分析したり、自身の作品の仮素材として使用したりするのも良いでしょう。
JBG音楽院で学ぶ、プロのサウンドデザイン技術
JBG音楽院では、BGMの作曲・編曲スキルだけでなく、このような効果音制作を含む「サウンドデザイン」の基礎についても学ぶことができます。私たちのカリキュラムは、ゲーム音楽クリエイターに求められる総合的な音の制作能力を養うことを目的としています。
DAWの高度なオーディオ編集機能や、シンセサイザーを使った音作りのテクニック、様々なプラグインエフェクトの活用法などを、実践的な課題を通じて体系的に学習します。プロの講師から直接フィードバックを受けることで、自分の作った音がどのように聴こえるのかを客観的に把握し、クオリティを向上させていくことができます。
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まとめ:小さな「音」作りから、ゲームクリエイターへの道は始まる
初心者向けの効果音(SE)作成の基本ステップと、おすすめのツールについて解説してきました。効果音制作は、ゲームの臨場感やプレイヤーの没入感を高める、非常にクリエイティブで奥深い世界です。一見、BGM制作よりも地味に思えるかもしれませんが、一つひとつの音にこだわり、作り込んでいくプロセスは、まさにサウンドデザインの醍醐味と言えるでしょう。
この記事で紹介した制作ステップを参考に、まずは身の回りの音をスマートフォンで録音し、DAWやAudacityで加工してみることから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな「音」作りが、あなたのゲームサウンドクリエイターとしてのキャリアの第一歩となるかもしれません。JBG音楽院では、サウンドデザインの基礎も学べますので、興味のある方はぜひご相談ください。
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