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【音程聴き取り編】メロディのコピー精度と作曲能力を飛躍させるインターバルトレーニング実践ドリル

2025.06.15

【音程聴き取り編】メロディのコピー精度と作曲能力を飛躍させるインターバルトレーニング実践ドリル

「好きな曲を耳コピしようとしても、音が合っているか自信がない…」「頭の中で鳴っているメロディを、DAWや楽譜に正確に書き起こせない」「自分の作るメロディが、なんだか垢抜けない気がする」そんな悩みを抱えていませんか?これらの悩みの根底には、多くの場合、「音程感」、つまり2つの音の高さの距離を正確に捉える能力の不足が関係しています。2つの音の相対的な高さの距離(インターバル)を正確に聴き分ける能力は、メロディの正確な理解と独創的な創作の基礎体力です。この記事では、短2度からオクターブまで、様々なインターバルを確実に聴き分けられるようになるための実践的なトレーニングドリルと、それを実際のメロディコピーや作曲作業に効果的に活かす方法を具体的に解説します。JBG音楽院のイヤートレーニングメソッドの一端に触れながら、あなたの作曲能力を飛躍させるためのヒントをお届けします。

なぜ音程感の向上が作曲に不可欠なのか?~相対音感の重要性~

作曲における音程感の向上とは、多くの場合、相対音感を鍛えることとほぼ同義です。相対音感とは、基準となる一つの音に対して、もう一つの音がどれだけ離れているかを正確に認識する能力のことを指します。例えば、「ド」の音を聴いた後に「ソ」の音を聴いて、その距離が「完全5度」であると瞬時に分かる、といった能力です。この能力がなぜ作曲に不可欠なのでしょうか?

  • 耳コピーの精度が劇的に向上する: 楽曲のメロディは、無数の音程(インターバル)の連続でできています。各音程を正確に聴き分けることができれば、複雑なメロディラインも迷わず、かつ正確にコピーすることが可能になります。
  • 頭の中のメロディを正確に具現化できる: 作曲家にとって最も重要な作業の一つが、頭の中で閃いたメロディをDAWや五線譜に正確に落とし込むことです。音程感がなければ、この変換作業でミスが生じ、イメージ通りのメロディが作れなくなってしまいます。
  • メロディ創作の表現力が豊かになる: 各インターバルが持つ独自の響きや雰囲気を理解することで、作曲時に意図した通りの感情表現が可能になります。例えば、「切ない感じを出したいから短3度を使おう」「壮大な雰囲気にしたいから完全5度の跳躍を使おう」といった、論理的かつ感覚的なメロディメイクができるようになります。

このように、音程感はメロディの聴き取りと創作の両面において、作曲家の能力を支える土台となるのです。この音程感を鍛えるトレーニングは、当音楽院のブログ記事である「「良い耳」が作曲の質を変える!プロに必要な聴音能力と効果的な耳トレ方法」でも解説している「良い耳」を構成する中心的な要素です。

インターバルトレーニングの始め方:基本の準備と心構え

音程感を鍛えるためのインターバルトレーニングは、特別な機材がなくても今日からすぐに始めることができます。まずは基本的な準備と、トレーニングを成功させるための心構えを確認しましょう。

必要なツール:ピアノ/キーボード、またはアプリ

インターバルトレーニングを始めるにあたり、基準となる音と、そこから様々な音程の音を正確に出せる楽器があると非常に便利です。ピアノやMIDIキーボードが最も理想的です。もし楽器が手元になくても、スマートフォン用の耳トレアプリや、ウェブ上で利用できるトレーニングサイトも数多く存在します。これらを活用すれば、いつでもどこでも手軽に訓練が可能です。

成功の秘訣:焦らず、毎日少しずつ

音程感は、一朝一夕で身につくものではありません。大切なのは、毎日5分でも10分でも良いので、継続して耳を訓練することです。焦って一度にたくさんのことをやろうとすると、挫折の原因になります。まずは簡単なインターバルから確実に聴き分けられるようになることを目指し、少しずつレベルアップしていきましょう。

【実践ドリル】各インターバルの響きと代表曲リファレンス

ここからは、具体的なインターバルトレーニングの実践ドリルです。各インターバルを記憶するための最も効果的な方法は、その音程が使われている有名な曲の一部を「リファレンス曲」として覚えることです。ここでは、短2度から完全8度(オクターブ)までの主要なインターバルについて、その響きの特徴と代表的なリファレンス曲をご紹介します。

短2度 (m2) / 長2度 (M2)

  • 短2度 (Minor 2nd): 半音1つ分の距離。非常にぶつかった響きで、不協和音の代表格。緊張感、恐怖、ミステリアスな雰囲気を演出します。
    • リファレンス曲(上行): 映画『ジョーズ』のテーマ「デーデン、デーデン…」の「デーデ」の部分。
  • 長2度 (Major 2nd): 半音2つ分(全音)の距離。隣り合った自然な音の動きで、童謡やポップスで最も頻繁に使われる音程の一つです。
    • リファレンス曲(上行): 「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」の「ハッピ」の部分。

短3度 (m3) / 長3度 (M3)

  • 短3度 (Minor 3rd): 半音3つ分の距離。マイナーコードの構成音であり、悲しさ、切なさ、哀愁といった感情を表現します。
    • リファレンス曲(上行): 「グリーン・スリーブス」の冒頭。
  • 長3度 (Major 3rd): 半音4つ分の距離。メジャーコードの構成音であり、明るさ、喜び、楽しさといった感情の基本となります。
    • リファレンス曲(上行): 「聖者の行進」の冒頭「オーウェン」の部分。

完全4度 (P4) / 増4度 (Tritone) / 完全5度 (P5)

  • 完全4度 (Perfect 4th): 半音5つ分の距離。力強く、安定感がありながらも、少し硬質な響きを持ちます。
    • リファレンス曲(上行): 「結婚行進曲」(ワーグナー)の冒頭。
  • 増4度 (Tritone): 半音6つ分の距離。非常に不安定で不気味な響きから、古くは「悪魔の音程」とも呼ばれました。強い緊張感や不安感を煽ります。
    • リファレンス曲(上行): 『ザ・シンプソンズ』のテーマ曲冒頭。
  • 完全5度 (Perfect 5th): 半音7つ分の距離。非常に協和し、力強く安定した響き。多くの楽曲のベースラインやパワーコードで使われます。
    • リファレンス曲(上行): 『スター・ウォーズ』のメインテーマ冒頭。

短6度 (m6) / 長6度 (M6)

  • 短6度 (Minor 6th): 半音8つ分の距離。切なく、甘美で、ロマンティックな雰囲気を持っています。
    • リファレンス曲(上行): スコット・ジョプリン「ジ・エンターテイナー」のサビの冒頭。
  • 長6度 (Major 6th): 半音9つ分の距離。明るく、希望に満ちた、伸びやかな響きが特徴です。
    • リファレンス曲(上行): 「NBCチャイム」(米NBCのサウンドロゴ)、「My Bonnie Lies over the Ocean」の冒頭。

短7度 (m7) / 長7度 (M7) / 完全8度 (P8)

  • 短7度 (Minor 7th): 半音10個分の距離。ブルージーで、少し気だるい、大人びた響き。ドミナントセブンスコードの構成音です。
    • リファレンス曲(上行): 『スター・トレック』のテーマ冒頭。
  • 長7度 (Major 7th): 半音11個分の距離。ルート音と半音でぶつかるため、少し緊張感を伴いますが、同時に甘く、洗練された響きを持っています。
    • リファレンス曲(上行): a-ha「Take On Me」のサビの冒頭。
  • 完全8度 (Perfect 8th / Octave): 半音12個分の距離。同じ音名の1オクターブ違い。完全な協和音程です。
    • リファレンス曲(上行): 「虹の彼方に(Over the Rainbow)」の冒頭。

音程感を飛躍させるステップアップ・トレーニングドリル

各インターバルの響きを覚えたら、さらに実践的なドリルに挑戦して音程感を定着させましょう。

ドリル1:上行形と下行形を聴き分ける

インターバルには、低い音から高い音へ進む「上行形」と、高い音から低い音へ進む「下行形」があります。同じ音程でも、上行と下行では印象が異なるため、両方を聴き分けられるように訓練することが重要です。リファレンス曲も、下行形のものを探して覚えてみましょう。(例:完全4度の下行形は「オー・クリスマス・ツリー」の冒頭)

ドリル2:和音(同時に鳴らす)で聴き分ける

これまではメロディのように順番に鳴る音程(旋律的音程)の訓練でしたが、次は2つの音を同時に鳴らした和音(和声的音程)を聴き分ける訓練です。これにより、ハーモニーを聴き取る力が向上します。DAWやピアノで2音を同時に鳴らし、それがどのインターバルかを当てる練習を繰り返しましょう。

ドリル3:ランダム出題で瞬発力を鍛える

耳トレアプリなどのランダム出題機能を活用し、様々なインターバルを瞬時に判断する能力を鍛えましょう。これにより、実際の楽曲の中で次々と現れる音程の変化に、耳が素早く反応できるようになります。

トレーニングの成果を作曲に活かすコツ:メロディ聴音から創作へ

インターバルトレーニングで鍛えた音程感は、メロディの聴音や作曲に直接活かすことができます。

例えば、耳コピをする際には、まず基準となるキーの主音(トニック)を見つけ、そこからの各メロディ音の音程を判断していく、というアプローチが可能になります。これにより、当てずっぽうではなく、論理的にメロディを聴き取ることができます。また、頭の中でメロディが浮かんだ際も、「この音から完全5度上の音だ」というように、音程で捉えることができれば、DAWへの打ち込みや楽譜への書き起こしが格段に速く、正確になります。さらに、自ら作曲する際には、表現したい感情に合わせて「ここでは切ない短6度を使おう」といったように、意図的に特定のインターバルを選択することで、より表現力豊かなメロディを生み出すことができるようになるでしょう。

JBG音楽院で学ぶ、体系的なイヤートレーニング

JBG音楽院では、このようなインターバルトレーニングを含む体系的なイヤートレーニング(耳の訓練)を、作曲家育成における最重要科目の一つと位置づけています。私たちのカリキュラムは、単に音を聴き分けるだけでなく、その音が音楽全体の中でどのような意味や機能を持つのかを理解し、実践的な作曲スキルに結びつけることを目的としています。

聴音能力は、音楽理論、楽器演奏、DTMスキルと並ぶ「作曲に必要な4大スキル」の重要な柱です。これらのスキルは互いに深く関連しており、バランス良く学ぶことで相乗効果が生まれます。例えば、音楽理論で学んだインターバルを、イヤートレーニングで聴き分け、楽器演奏でその響きを体感し、DTMで正確に再現する、といった統合的な学習が、あなたの作曲能力を総合的に高めます。その全体像については、当音楽院のブログ記事である「作曲に必要な4大スキルとは?プロを目指すための全体像とバランスの良い学び方」で詳しく解説しています。

JBG音楽院のCoreカリキュラムでは、基礎的なインターバルの聴き取りから丁寧に始め、段階的に複雑なメロディやハーモニーの聴音へと進んでいきます。ご興味のある方は、ぜひカリキュラム詳細をご確認ください。
JBG音楽院のカリキュラムを見る

まとめ:インターバルトレーニングで、作曲の「基礎体力」を鍛えよう

メロディのコピー精度と作曲能力を飛躍させるための、インターバルトレーニングについて解説してきました。2つの音の相対的な距離を正確に聴き分ける「音程感」は、メロディを正確に理解し、独創的なメロディを創造するための、まさに「基礎体力」です。最初は地道な訓練に感じるかもしれませんが、リファレンス曲を活用したり、アプリを使ったりしながら楽しく続けることで、あなたの耳は確実に成長します。

JBG音楽院のイヤートレーニングメソッドの一端をご紹介しましたが、最も大切なのは、日々の音楽との向き合い方の中で、常に音と音の関係性を意識することです。相対音感を鍛えることは、作曲家としてのキャリア全体を支える、非常に価値のある投資です。この記事で紹介した実践ドリルを参考に、今日からあなたの「耳」を育てる旅を始めてみませんか?

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