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【コード理論編】プロが実践で使うテンションコードとリハーモナイゼーション基礎テクニック

2025.06.08

【コード理論編】プロが実践で使うテンションコードとリハーモナイゼーション基礎テクニック

「基本的なコード進行は作れるようになったけど、なんだか単調でプロの曲のような響きにならない…」「楽譜で見かける『Cmaj7(9)』みたいな複雑なコード、どう使えばいいのか分からない」「いつものコード進行をもっとお洒落に変化させる方法はないかな?」そんな悩みを抱えていませんか?基本的なトライアド(三和音)やセブンスコード(四和音)を理解したあなたが次に踏み出すべきステップ、それが「テンションコード」と「リハーモナイゼーション」の世界です。9th、11th、13thといったテンションノートの正しい使い方や、楽曲の雰囲気をガラリと変えるリハーモナイゼーションの初歩的なテクニックを具体例と共に解説します。この記事を読めば、あなたの楽曲に、プロのような彩りと深み、そして独自の個性を与えるための第一歩が明確になります。JBG音楽院が、これらの応用理論をどのように段階的に指導しているかについても触れていきます。

なぜ、おしゃれなコード進行には応用理論が必要なのか?

シンプルなコード進行にも魅力はありますが、私たちが普段耳にするプロの楽曲の多くは、より複雑で洗練されたハーモニーで彩られています。その「おしゃれ」な響きの正体こそが、テンションコードやリハーモナイゼーションといった応用的なコード理論の活用です。これらのテクニックは、楽曲に以下のような効果をもたらします。

  • 色彩感と深みの追加: 基本的なコードにテンションノートが加わることで、響きがより豊かで立体的になり、楽曲に独特の色彩感や深みを与えます。
  • 感情表現の多様化: テンションコードは、心地よい浮遊感や、切ない緊張感、きらびやかな高揚感など、より繊細で複雑な感情を表現するためのパレットを増やしてくれます。
  • 進行の意外性と滑らかさ: リハーモナイゼーションによって、ありきたりなコード進行に新鮮な驚きを与えたり、コードとコードの繋がりをよりスムーズで自然なものにしたりすることができます。
  • オリジナリティの創出: 同じメロディであっても、どのようなハーモニーを付けるかによって楽曲の個性は大きく変わります。応用理論は、あなたの作曲家としての個性を発揮するための強力な武器となるのです。

このような作曲における応用テクニックを学ぶことは、あなたの音楽表現の可能性を大きく広げることに繋がります。

テンションコードの使い方:楽曲に彩りを加える魔法のノート

まずは、楽曲に彩りを加えるテンションコードの基本的な使い方から見ていきましょう。

テンションコードとは?基本の仕組みを理解しよう

テンションコードを理解するためには、まず「コードトーン」と「ノンコードトーン」の区別が重要です。コードトーンとは、そのコードを構成する基本的な音(例:Cメジャー7ならド・ミ・ソ・シ)のことです。一方、ノンコードトーンはそれ以外の音を指します。そして、ノンコードトーンの中でも、コードの響きを壊さずに美しい緊張感(テンション)を生み出し、色彩を加えることができる特定の音を「テンションノート」と呼びます。具体的には、ルート音から数えて9番目(9th)、11番目(11th)、13番目(13th)の音がこれにあたります。これらのテンションノートを含むコードが「テンションコード」です。

主要なテンションコードの種類とサウンドキャラクター

テンションコードには様々な種類がありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。実際に楽器で弾いて、そのサウンドのキャラクターを感じてみてください。

  • △M7(9)(メジャーセブンス・ナインス): メジャーセブンスコードに9thの音を加えたもの。爽やかで浮遊感のある、非常におしゃれな響きが特徴です。(例:CM7(9) = ドミソシ+レ)
  • m7(9)(マイナーセブンス・ナインス): マイナーセブンスコードに9thの音を加えたもの。切なく、都会的で洗練された雰囲気を持っています。(例:Dm7(9) = レファラド+ミ)
  • 7(9)(セブンス・ナインス): ドミナントセブンスコードに9thの音を加えたもの。ブルージーでファンキーなサウンドによく合います。(例:G7(9) = ソシレファ+ラ)
  • 7(♭9, ♯9)(セブンス・オルタードテンション): ドミナントセブンスコードに変化した9thを加えたもの。非常に強い緊張感を持ち、解決先のコードへの期待感を高めます。(例:G7(♭9) = ソシレファ+ラ♭)
  • 7(13)(セブンス・サーティーンス): ドミナントセブンスコードに13thの音を加えたもの。9thと合わせて使われることが多く、華やかでゴージャスな響きになります。(例:G7(9, 13) = ソシレファ+ラ+ミ)

実践的なテンションコードの使い方:避けるべき音と効果的な配置

テンションコードを使う際には、一つだけ注意点があります。それは「アヴォイドノート(Avoid Note)」の存在です。アヴォイドノートとは、コードトーンと短9度(半音)の関係になり、響きを著しく濁らせてしまうテンションノートのことです。例えば、メジャーコードにおける11thの音は、3rdの音と短9度の関係になるため、一般的にアヴォイドノートとされます。ただし、リディアン・スケール上では♯11thとして美しく響くなど、例外も多く存在します。まずは、「メジャーコードの11thは避ける」と覚えておくと良いでしょう。また、テンションノートはコードトーンよりも高い音域で配置すると、響きがクリアで効果的です。

リハーモナイゼーション初心者入門:コード進行を劇的に変える基礎テクニック

次に、既存のコード進行をお洒落に変化させる「リハーモナイゼーション」の基礎テクニックをご紹介します。リハーモナイゼーションが初めての方でも、すぐに試せるものばかりです。

リハーモナイゼーションとは?同じメロディでも印象が変わる

リハーモナイゼーション(Reharmonization)とは、既存のメロディはそのままに、付けられているコード進行を別のものに置き換えることで、楽曲全体の雰囲気や印象を変化させるテクニックです。「リハモ」とも呼ばれます。シンプルなコード進行をより複雑で洗練されたものにしたり、明るい曲を悲しい雰囲気に変えたりと、作曲・編曲の幅を大きく広げることができます。

テクニック1:代理コード(サブスティテュート・コード)の活用

最も基本的で使いやすいリハモテクニックが、代理コードの活用です。機能和声において、コードは主にトニック(T)、サブドミナント(SD)、ドミナント(D)という3つの機能に分類されます。同じ機能を持つコード同士は、互いに置き換えることが可能です。例えばキーがCメジャーの場合、

  • トニック(T): Cmaj7 の代わりに Am7 や Em7 を使う。
  • サブドミナント(SD): Fmaj7 の代わりに Dm7 を使う。
  • ドミナント(D): G7 の代わりに Bm7(♭5) を使う。

このように置き換えるだけで、コード進行の響きに変化が生まれます。

テクニック2:セカンダリー・ドミナントで進行に彩りを加える

セカンダリー・ドミナントは、ダイアトニックコード以外のコード(この場合はV7以外のドミナントセブンスコード)を一時的に使用して、特定のコードへの進行感を強めるテクニックです。例えば、「Fmaj7 → G7 → Cmaj7」という進行の前に、G7に対するドミナントコードであるD7を挿入し、「Fmaj7 → D7 → G7 → Cmaj7」とすることで、よりドラマチックな展開を生み出すことができます。

テクニック3:ツー・ファイブ・ワン進行への分割

ジャズなどで多用される非常に滑らかで強力なコード進行が「II-V-I(ツー・ファイブ・ワン)」です。例えば、「G7 → Cmaj7」というシンプルなドミナントモーションを、「Dm7 → G7 → Cmaj7」というツー・ファイブ・ワンに分割することで、より洗練された印象を与えることができます。様々な箇所でこの進行を活用することで、楽曲全体がおしゃれな響きになります。

応用理論を学ぶ上での注意点と学習のヒント

テンションコードやリハーモナイゼーションは非常に強力なツールですが、効果的に使うためにはいくつかの注意点があります。

まずは基礎固めから:理論の土台が重要

これらの応用理論は、基本的なダイアトニックコードやスケール、機能和声といった音楽理論の基礎がしっかりと身についていて初めて、その真価を発揮します。基礎的な理解が曖昧なまま応用テクニックに手を出しても、なぜその響きが生まれるのかを理解できず、効果的に使いこなすことは難しいでしょう。プロの作曲家がどの程度の音楽理論を習得しているか、その全体像を知ることも、学習の指針を立てる上で役立ちます。この点については、当音楽院のブログ記事である「プロの作曲家レベルって実際どのくらい?必要な音楽理論の範囲と深さを徹底解説」で詳しく解説しています。

楽器で実際に弾いて響きを確かめる

理論書を眺めているだけでは、本当の意味でコードの響きを理解することはできません。学んだテンションコードやリハーモナイズしたコード進行は、必ずピアノやギターなどの楽器で実際に弾いて、自分の耳と身体でその響きを確かめることが重要です。この実践的なプロセスが、理論の理解を深め、感覚を磨くことに繋がります。

名曲の分析(アナリーゼ)で実践的な使い方を学ぶ

理論を学んだら、プロの楽曲の中でそれらのテクニックが実際にどのように使われているのかを分析(アナリーゼ)してみましょう。好きな曲のコード進行を書き出し、「ここはセカンダリー・ドミナントが使われているな」「このおしゃれな響きはこのテンションノートから来ているのか」といった発見を積み重ねることで、理論の知識が実践的なスキルへと変わっていきます。

JBG音楽院で学ぶ、実践的な応用コード理論

JBG音楽院では、このような応用的なコード理論を、初心者の方でも段階的に、そして実践的に学ぶことができるカリキュラムを提供しています。私たちのカリキュラムは、単なる知識の暗記ではなく、学んだ理論をすぐに自分の作曲に活かせる「使えるスキル」にすることを目指しています。

Coreカリキュラムで基本的な音楽理論の土台を築いた後、Mainカリキュラムへと進む中で、テンションコードの理論と実践的な使い方、様々なリハーモナイゼーションのテクニック、さらには各ジャンルに特化したコード進行の分析などを深く学んでいきます。また、講師からの課題に対して作品を提出し、具体的なフィードバックを受ける反転学習サイクルを通じて、自分の作品の中で応用理論を効果的に使う方法を体得していきます。
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まとめ:応用コード理論をマスターし、ワンランク上の作曲家へ

基本的なコード進行から一歩踏み出し、楽曲にプロのような彩りと深みを与える「テンションコード」と「リハーモナイゼーション」の基礎について解説してきました。これらの応用理論は、あなたの作曲のパレットを格段に豊かにし、より自由で独創的な表現を可能にしてくれます。最初は難しく感じるかもしれませんが、基礎から一歩ずつ学び、実際に音を出しながら試行錯誤を重ねることで、必ず使いこなせるようになります。

大切なのは、理論を「ルール」として捉えるのではなく、あなたの感性を表現するための「ツール」として捉えることです。JBG音楽院では、これらの応用理論も段階的に、そして実践的に指導し、あなたの作曲家としての成長をサポートします。まずは今日、あなたが作った曲の中の一つのコードを、代理コードに置き換えてみてください。そこから、あなたの新しいハーモニーの世界が始まるかもしれません。

JBG音楽院なら、社会人でも無駄なく・確実に作曲・DTMスキルを習得できます。

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