友だち追加で資料請求や無料体験お申込み

アレンジ入門!コード進行と簡単ハーモニー

2025.05.11

アレンジ入門!コード進行と簡単ハーモニー

「メロディは思いつくけれど、伴奏がスカスカ」「コードを並べただけで厚みが出ない」——そんな悩みは dtm 初心者 の方の定番です。難解な音楽理論をすべて覚えなくても、よく使われるコード進行とシンプルなハーモニーを押さえれば、曲の印象はぐっと豊かになります。本稿では “覚えやすさ” を重視しながら、定番進行・手軽なボイシング(音の重ね方)・簡単なコード変化テク・曲全体のバランス調整までを丁寧にガイドします。


1. まずは「3コード」を味方にする

1-1. I(トニック)-IV(サブドミナント)-V(ドミナント)とは?

キー(調)をひとつ決めると、スケール内に7種類の主要コードが登場します。その中でもI・IV・Vは “役割の三本柱” と呼ばれ、ほとんどのポップスで土台になっています。

  • I:トニック … 家に帰ったような落ち着きを与えるコード。
  • IV:サブドミナント … 少し外に出て移り変わる空気を感じさせるコード。
  • V:ドミナント … 家に戻る一歩手前の期待と緊張を作るコード。

キー C なら C(トニック)→F(サブドミナント)→G(ドミナント)→C と戻るだけで完結感のある4小節が完成します。

1-2. 8小節モデルで感覚をつかむ

| C | F | G | C |
| Am | F | G | C |

5小節目を平行調(同じキーの中で6番目に当たるマイナーコード Am)に変えると、さりげなく切なさが立ちのぼります。ここでは「T=安定」「S=少し不安」「D=緊張」という役割イメージだけ覚えれば十分です。


2. シンプルなボイシングで厚みを出す

2-1. ルート+コードトーンだけでOK

ボイシングとは和音の重ね方。難しく考えず「低い音域にベース(ルート)」「中音域にコードトーン(1・3・5度)」を置けば、初日から実践できます。

  • 左手(またはベーストラック):ルート音を1オクターブ下で鳴らし土台を支える。
  • 右手(またはパッド/ピアノ):コードトーンを2〜3音で鳴らす。

「Cメジャーキーの F(サブドミナント)」なら左手 F1、右手 A-C-F、これだけで音域が分担され低域が濁りにくくなります。

2-2. オンコードで動きをプラス

「コードネーム/ベース音」の形で書かれるオンコード(分数コード)は、ベースラインをなめらかにしつつコード自体は増やさない便利ワザです。

C | C/B | Am | Am/G

ベース音が半音ずつ下がるため、聴き手の耳は“滑らかな下降”として認識します。実際のコード種類は3つしかないので覚える負担も変わりません。

2-3. 9th を一粒だけ振りかける

数字の9が付くコードは「コードの外側にある高い音(スケール9度目)を1音足した形」。I-IV-V の上に9thをトッピングすると一気に洗練された印象になります。

Cadd9 (C-E-G-D) | Fadd9 (F-A-C-G) | Gadd9 (G-B-D-A)

キラッとした響きはアコースティックギターのアルペジオなどと相性抜群。押さえる指は1本増えるだけです。


3. 初心者でも扱えるコード変化テク

3-1. サブドミナントマイナーで「切なさスイッチ」

トニック C の前に Fm(IVm)を入れると、メジャー曲でも一瞬だけ夕暮れめいた切なさを演出できます。

C | Fm | C | G

しくみは単純で「同じルートを共有している兄弟コード」と覚えればOK。使いすぎると湿度が上がるので1曲に1〜2回が目安です。

3-2. クリシェでコードを“歩かせる”

クリシェとはベースかメロディが半音階で動く処理。先ほどのオンコードと相性が良く、短期間で覚えやすい変化手段です。

C | C/B | C/B♭ | Am

C の響きを保ったままベースが C→B→B♭ と階段を下るだけで、映画のような進行感が得られます。

3-3. 代理コードでキャラクターを差し替える

同じスケール内で機能が近いコードを置き換えると、新鮮さを損なわずキャラクターを変えられます。たとえばトニック CEm(IIIm)へ差し替えると柔らかい表情に。

元の進行 C | Am | F | G
代理テイク Em | Am | F | G

4. 曲全体のバランスを考えるアレンジ術

4-1. セクションごとに「役割」を振り分ける

  • イントロ … 主役のメロディは控えめ、コードをすっきり配置
  • Aメロ … ボーカル中心。ハーモニーは3音以下でスペース確保。
  • Bメロ … コードを一段上げる(転回形)か代理コードで色を変える。
  • サビ … 9th やオンコードで音域と厚みを最大化。

4-2. EQ とパニングで「住み分け」を意識

コードを厚くしても EQ で200 Hz 以下をカットするとベースと衝突しにくくなり、パッド系は左右に軽く広げればボーカル帯域と重なりません。音数より“空いている帯域を埋める”発想が肝心です。

4-3. リズム隊とハーモニーの“掛け算”

キックのパターンを変えずコードだけ差し替えると、粗削りでもグルーヴと調性感が両立します。逆にコード進行が単調なら、シンコペーション(裏拍で鳴るリズム)を加えるだけで動きが出ます。


5. よくある質問 Q&A

Q1. コード進行がワンパターンに感じます…

A. クリシェやサブドミナントマイナーを1か所だけ差し込むと、聴き慣れた進行にもドラマが生まれます。全小節を凝るより“ここぞ”で使う方が効果的です。

Q2. ボイシングが濁ってしまいます…

A. 低音域(150 Hz 以下)に3度の音を置くとモヤつきやすいので、3度は1オクターブ上、もしくは省略するとクリアになります。

Q3. ハーモニーを足したのに逆に薄く聴こえます…

A. 中域(300 Hz–1 kHz)に音が集中すると「団子」になりがち。EQ で同帯域を引き合うか、1〜2音をオクターブ上へ跳ね上げて空間を確保しましょう。


まとめ

  • まずは I-IV-V の3コードで安定・不安・緊張を作り分けよう。
  • オンコードや 9th を1音足すだけで厚みと動きが手に入る。
  • サブドミナントマイナー・クリシェ・代理コードは変化球として覚える。
  • ボイシングは低域にルート、中域にコードトーン。EQ で帯域を住み分ける。
  • 曲全体はセクションごとの役割リズム×ハーモニーの掛け算でバランス良く。

気に入ったテクニックを1つ選び、今ある8小節のループへ試しに差し込んでみてください。わずかな変化でも“聴こえ方”が大きく変わることを体験できるはずです。
JBG音楽院では、理論を踏まえた実践的なカリキュラムを展開しています。コードワークとアレンジを段階的に深めたい方はぜひ参考にしてください。

JBG音楽院なら、社会人でも無駄なく・確実に作曲・DTMスキルを習得できます。

「本気で学びたい」と思ったら、まずは無料体験&個別相談会にお申し込みください! 個別入学相談の申込みフォーム

一覧に戻る