
【CM作曲テクニック編】15秒・30秒で最大限の効果を生むCM音楽の作曲・アレンジ術
「フルコーラスの曲は作れるけど、15秒や30秒の短い曲って、どうやって作ればいいんだろう?」「CMで流れるような、一瞬で耳に残る音楽の作り方が知りたい」「自分の曲は、なんだかインパクトに欠ける気がする…」そんな風に、短い尺の中での作曲やアレンジに難しさを感じていませんか?CM音楽は、ただ楽曲を短くカットしたものではありません。それは、秒単位で視聴者の心を掴むために、あらゆるテクニックが凝縮された、非常に高度な専門分野です。CM音楽制作では、楽曲の冒頭(アタック感)、記憶に残るキャッチーなメロディ(フック)、そして商品名を印象付けるサウンドロゴなどが極めて重要です。この記事では、限られた時間の中で最大限のインパクトを生み出すための、具体的な作曲構成、アレンジテクニック、音選びのポイントを詳しく解説します。JBG音楽院の実践的指導が活きるこの分野のテクニックを学び、あなたの作曲スキルを新たなステージへと進めましょう。
CM音楽作曲の鉄則:「短い」からこそ「濃い」が求められる
CM音楽と一般的なポップスとの最大の違いは、言うまでもなくその「尺の短さ」です。一般的な楽曲のように、Aメロ、Bメロと徐々に盛り上げてサビで爆発させる、といった悠長な展開は許されません。視聴者がチャンネルを変える、あるいはスキップボタンを押すまでのわずか数秒の間に、商品やブランドの魅力を伝え、記憶に残す必要があります。
そのため、CM音楽の作曲・アレンジにおいては、「全ての音に明確な意図を持たせる」という、非常に密度の濃いアプローチが求められます。音数を絞り、一つひとつの音を磨き上げ、無駄を徹底的に削ぎ落とす。この「秒単位の芸術」こそが、CM音楽制作の醍醐味であり、難しさでもあるのです。CM音楽制作の全体像や、コンペを勝ち抜くための戦略については、当音楽院のブログ記事である「秒単位で心掴むCM音楽の世界!制作の裏側とコンペで勝つための秘訣」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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冒頭2秒が命!アタック感を生み出すテクニック
CM音楽では、曲が始まった瞬間に視聴者の注意を引きつける「アタック感」が何よりも重要です。ここでは、冒頭2秒で勝負を決めるための具体的なテクニックをご紹介します。
1. 印象的なイントロリフ・フレーズ
一度聴いたら忘れられないような、キャッチーなギターリフやピアノのフレーズ、シンセサイザーのシーケンスなどを楽曲の冒頭に配置します。この最初の「掴み」が、視聴者をCMの世界に引き込むための最初のフックとなります。メロディはシンプルで、リズムは覚えやすいものが効果的です。
2. サウンドエフェクト(SE)の活用
音楽が始まる前に、「シュワッ」「キラキラ」といったサウンドエフェクト(SE)や、緊張感を高める「ライザー(音が徐々に上がっていくSE)」を入れるのも非常に有効なテクニックです。視聴者の聴覚に意図的な「違和感」を与えることで、一瞬で注意を惹きつけることができます。
3. 「食い」のリズム:シンコペーションの活用
楽曲の始まりを、1拍目の頭ジャストではなく、その直前(前の小節の終わりなど)から「食い気味」に始める手法です。シンコペーションと呼ばれるこのリズムは、楽曲に前のめりな推進力やグルーヴ感を生み出し、視聴者の心を一気に引き込みます。
印象に残る曲の作り方:キャッチーなメロディ(フック)の法則
短い時間で記憶に残る曲を作るためには、メロディ、すなわち「フック」の作り方に工夫が必要です。
1. シンプルで覚えやすい音の動き
CMで使われるメロディは、誰もが口ずさめるようなシンプルさが基本です。複雑な音階や難しい跳躍は避け、ペンタトニックスケールのような、なじみ深く歌いやすい音階をベースに構成することが多いです。音数も少なく、覚えやすいことが正義とされます。
2. 同じパターンの反復(リフレイン)
短いフレーズを2回、3回と繰り返す「リフレイン」は、聴き手の記憶にメロディを刷り込むための非常に強力なテクニックです。同じフレーズを繰り返すだけでなく、2回目は少しだけ音程を変えたり、ハーモニーを変えたりといった変化を加えることで、より印象を深めることができます。
3. 商品名やキャッチコピーとの連携
商品名やキャッチコピーが歌われる場合、その言葉のリズムや抑揚にメロディが完璧にフィットしていることが重要です。言葉が最も心地よく、かつ力強く聴こえるようなメロディラインを設計する能力が求められます。時には、メロディからではなく、キャッチコピーの言い方から音楽全体の発想を広げていくこともあります。
短い曲のアレンジ術:音選びとレイヤリングのコツ
CM音楽のアレンジでは、音数をやみくもに増やすのではなく、一つひとつの音を厳選し、効果的に配置する「引き算の美学」が重要になります。
音色の選定:ブランドイメージを音で表現する
アレンジの第一歩は、商品やブランドのイメージに合った音色を選ぶことです。例えば、オーガニックな食品であればアコースティックギターやウクレレの温かい音色、最新のテクノロジー製品であればシャープで未来的なシンセサイザーの音色、といったように、音色がブランドイメージを代弁します。クライアントの意図を正確に汲み取り、最適な音色を選ぶセンスが問われます。
レイヤリング:音を重ねて厚みと広がりを出す
少ない音数でもサウンドに厚みや広がりを出すために、レイヤリングのテクニックが有効です。例えば、一つのピアノのメロディに対して、少しだけ音色を変えたシンセパッドやベル系の音を薄く重ねることで、サウンドが豊かで豪華に聴こえます。同じフレーズを異なる楽器で重ねて演奏させる(ユニゾンやオクターブ奏法)のも、サウンドに力強さを与える常套手段です。
「サウンドロゴ」の効果と作成テクニック
CM音楽制作の中でも、特に象徴的なのが「サウンドロゴ」の作成です。これは、企業やブランド名を視聴者に記憶させるための、数秒間の「音のロゴマーク」です。
音の記憶術:企業の「顔」となるサウンド
インテルの「Intel Inside」のチャイムや、マクドナルドの「I’m lovin’ it」など、優れたサウンドロゴは、その音を聴いただけで瞬時に企業名を思い起こさせます。これは、音楽が持つ強力な記憶への刷り込み効果を利用した、非常に高度なブランディング手法です。
具体的な作成のポイント:音程、リズム、音色
効果的なサウンドロゴを作成するには、以下の3つの要素が重要です。
- 覚えやすい音程: 誰もが口ずさめるような、シンプルでキャッチーな音の並びであること。
- ユニークなリズム: 他にはない、特徴的で耳に残るリズムパターンであること。
- 象徴的な音色: ブランドイメージを的確に表現し、他の音に埋もれない個性的な音色であること。
これら3つの要素を、わずか数秒の中に凝縮させる創造性と設計力が求められます。
JBG音楽院で学ぶ、実践的なCM音楽制作スキル
JBG音楽院では、このようなコマーシャルミュージックの制作現場で即戦力となるための、実践的な作曲・編曲スキルの習得を目指します。私たちのカリキュラムは、厳しいコンペを勝ち抜き、クライアントの多様な要求に応えるための、戦略的思考と制作技術をバランス良く養います。
様々な制約(尺、ジャンル、雰囲気など)の中で楽曲を制作する課題は、まさにCM音楽コンペのシミュレーションです。講師からの具体的なフィードバックを通じて、クライアントの意図を汲み取り、それを音楽で表現する能力を磨きます。このような実践的な経験は、コンペで採用されるための大きな力となるでしょう。当音楽院のブログ記事である「【CM音楽コンペ編】最新CM音楽コンペ情報の探し方と採用されるための戦略的応募術」では、コンペに勝つためのさらに具体的な戦略を解説しています。

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まとめ:15秒の芸術をマスターし、クリエイターとしての価値を高めよう
15秒・30秒という短い時間の中で最大限の効果を生むための、CM音楽の作曲・アレンジ術について解説してきました。楽曲の冒頭(アタック感)、記憶に残るキャッチーなメロディ(フック)、そして商品名を印象付けるサウンドロゴといった要素を戦略的に構築することが、視聴者の心を掴む鍵となります。限られた時間だからこそ、一つひとつの音にこだわり、無駄を削ぎ落とし、アイデアを凝縮させる。CM音楽制作は、まさに「秒単位の芸術」です。
JBG音楽院では、このような実践的な案件に対応できるスキル育成も視野に入れています。この記事を読んで、短い曲のアレンジやサウンドロゴ作成に挑戦したくなった方は、ぜひあなたの好きな商品の15秒CMをイメージして、オリジナルの音楽を作ってみてください。そのクリエイティブな遊びが、あなたの新たな才能を開花させるかもしれません。
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