
初心者でもできる!曲作りの基本ステップと押さえておきたいポイント
「自分の思いを曲として形に残してみたい」「頭の中をぐるぐると回るフレーズを歌や演奏で表現したい」と考えたとき、まず思い浮かぶのが「作曲」という世界です。とはいえ、どのように手を付ければいいか分からず、最初の一歩を躊躇(ちゅうちょ)してしまう方も多いかもしれません。実際、メロディやコード進行、曲の構成やアレンジなど、一見すると複雑に見える工程がありますが、大切なポイントを知っておくと進め方の道筋が見えてきます。ここでは、初心者の方が曲作りを始めるうえで押さえておきたい基本的なステップと知識をまとめました。要点を参考にしながら、一歩ずつ着実に進んでみてください。
曲作りの基本ステップ
多くの楽曲は大きく分けて「メロディの制作」「コード進行の検討」「曲の構成づくり」「アレンジ」という流れで完成へ近づきます。順序が前後する場合もありますが、まずは一通りのプロセスを把握しておくと安心でしょう。
ステップ1:メロディの制作
曲のなかでも、リスナーの印象に最も強く残りやすいのがメロディです。鼻歌で口ずさんだものを録音したり、楽器を触りながら思いついたフレーズを繰り返してみたり、さまざまなアイデアの出し方があります。冒頭の小さなモチーフ(短いフレーズ)を大切に育てていくと、メロディ全体がまとまりやすくなります。
- ボイスメモや録音アプリを活用してアイデアを残す
- 鍵盤やギターで音を探りながら、思いつくまま演奏してみる
- 短いフレーズを組み合わせて、全体の流れを少しずつ形づくる
メロディが単純でも、それ自体が悪いわけではありません。シンプルなメロディほど強く印象に残ることもあり、まずは気負わずに音のつながりを探してみるのが一番です。
ステップ2:コード進行の検討
メロディを支える土台としてコード進行を考えます。メロディと調和したコードを選ぶことで、曲全体の雰囲気がぐっと引き締まるはずです。特に初心者の場合は、ポピュラー音楽でよく使われる定番コード進行を導入してみると分かりやすいでしょう。たとえば「C → G → Am → F」といった進行は、さまざまなジャンルで親しまれています。
- 調(キー)を決めて、そこに含まれるダイアトニックコードを把握
- 定番の流れを試し、メロディとの相性を探る
- 苦手意識がある場合は、まずはシンプルな進行を使ってみる
コードの選び方を工夫するだけで、同じメロディでも驚くほど雰囲気が変わるため、試行錯誤のしがいがあります。お気に入りの曲を真似てみるのも、学習としては有効です。
ステップ3:曲の構成づくり
メロディとコードがある程度まとまったら、曲の構成を考えてみましょう。AメロやBメロ、サビなど、セクションごとに役割を決めると、聴く人が自然と展開を追いやすくなります。たとえば、Aメロはストーリーの導入部として静かに始まり、Bメロで少し変化を与え、サビで大きく盛り上げるという構成がよく知られています。
- Aメロではメロディや歌詞の導入を行い、Bメロで次の展開を期待させる
- サビを曲のクライマックスと位置づけて、大きな盛り上がりを演出
- 間奏やブリッジを挟む場合は、緩急や雰囲気の変化を意識
自分の好きな楽曲をセクションごとに聴き分けてみるだけでも、どのように構成が作られているか見えてきます。最初はシンプルに始め、そのうえで必要に応じて緩急をつけると、まとまりやすいでしょう。
ステップ4:アレンジ
アレンジは楽曲を色鮮やかに仕上げるための作業です。使用する楽器、音色、リズムの組み立て方などによって、同じメロディとコードでも大きく印象が変わります。
- まずはピアノやギターなど、1~2種類の楽器編成でデモを作る
- ベースやドラムを加えてリズム感を出したり、シンセサウンドで特色を出したりする
- 音域や周波数帯域が重ならないように配置を調整
アレンジは細部まで凝ると奥深いものですが、最初は手軽に取り組むのがおすすめです。音がしっくり来ない場合は、一度ミニマルな編成に戻してから検討し直すと、不要な部分が見えてきます。
初心者が押さえておきたい音楽理論の基礎
作曲に取り組むうえで、ある程度の音楽理論を理解しておくと強い味方になります。特に「キー(調)」「スケール(音階)」「ダイアトニックコード」の3つは、初心者でも押さえておくとメリットが大きい要素です。
- キー(調):曲全体の基準となる音の高さの枠組み
- スケール(音階):キー内で使われる音の並び方
- ダイアトニックコード:スケールに含まれるコードの基本セット
たとえばCメジャーキーなら、C、Dm、Em、F、G、Am、Bdimといったコードが土台となります。メロディでもCメジャースケールの音を多用することで、自然な響きを得やすくなります。こうした理論を知ると、「なぜ特定のコード同士がマッチするのか」がつかみやすくなるので、全体の流れを整理する際にも役立ちます。
JBG音楽院では、理論を踏まえた実践的なカリキュラムを展開しています。独学だけでは不安がある場合や、より踏み込んだ内容を深く学びたいと考えている方は、検討してみるとよいでしょう。
短いスケッチから始める方法
最初からフルコーラスの楽曲を作ろうとすると、なかなかハードルが高く感じられるかもしれません。そのような場合は、まずは8小節程度の短い曲やワンフレーズのメロディだけを完成させてみると気持ちが楽になります。ゴールを小さく設定し、完成したら次のステップへ進む、という段階的な進め方が精神的な負担を軽減します。
- 定番進行で実験
Cメジャーキーのダイアトニックコードを使い、ほんの数小節だけメロディを乗せてみる。使う和音や音階が決まっていると、迷いが少なくなります。 - リズムを決める
4/4拍子などの分かりやすい拍子から始め、シンプルなドラムパターンを設定してみると曲の流れをつかみやすくなります。 - 気軽な録音・メモ
思いついたアイデアはスマートフォンやDAWソフトのメモ機能に残しておく習慣をつける。後から見直すと新たな発想がわくこともあります。
このように、小さなスケッチを積み重ねることで、曲作りのコツが少しずつ身についていきます。「うまくいかない」「これは変だな」と感じたら、元に戻したり別のパターンを試したりしながら、柔軟に調整してみましょう。
初心者がつまづきやすいポイントと対処法
作曲の取りかかりでは、いくつかの共通するつまづきが見られます。それぞれにシンプルな改善策があるので、あまり深刻になりすぎず気軽に取り組んでみるのがおすすめです。
- メロディが単調になる
→リズムや休符の入れ方を変える、音域の高低差を広げるなどの工夫をしてみると変化が出やすいです。 - コード進行がワンパターンに感じる
→オンコード(分数コード)やセブンスコードなど、少し違う響きを混ぜるだけで新鮮な印象に変わります。 - 構成にメリハリがつかない
→Aメロ・Bメロ・サビなどのセクションごとに役割を設定。サビでしっかり盛り上げるなど聴き手がついてきやすい流れを意識。 - アレンジがまとまらない
→一度楽器の数を減らし、必要最小限でバランスを確認。そのうえで不足を感じた要素を後から追加すると整理がしやすくなります。
まずは問題をひとつずつ解決しながら進めることが大切です。焦りが出てきたら、思い切って一度音を止め、休憩を挟むとリフレッシュした気持ちで作業を続けられます。
まとめ・結論
初心者が曲作りを始めるときは、メロディやコード進行など、個別のステップに分けて少しずつ進めるのがポイントです。短いスケッチからスタートすると取りかかりやすく、成功体験も得やすいでしょう。さらに音楽理論を学ぶことで曲の骨格を理解しやすくなり、自分のアイデアをより自由に展開できるようになります。
創作に悩んだときは、ほかの曲を参考に分析してみるのも有効です。構成やリズム、使用しているコードなどをじっくり聴き取ると、「あ、こういう仕組みだったのか」と思える瞬間が出てきます。もしさらに体系的な指導を求めるなら、JBG音楽院で社会人でも無駄なく・確実に作曲・DTMスキルを学ぶ方法も一つの選択肢です。コツコツと試行錯誤を重ねながら、自分ならではの音の世界を形にしてみてはいかがでしょうか。
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