【池尻大橋校】【すばらしきこのせかい×ALI】渋谷の喧騒を表現する「衝動」と「反復」の音楽分析
アニメ『すばらしきこのせかい The Animation』。その舞台である渋谷は、単なる背景美術ではなく、物語の核心を担う「もうひとつの主人公」と言えます。109(作品内では104)、ハチ公前、スペイン坂……。若者のエネルギーとアンダーグラウンドな緊張感が交錯するこの街で流れていた音楽には、映像と音をリンクさせ、視聴者の没入感を高めるための極めてプロフェッショナルな仕掛けが施されています。
今回は、オープニングテーマであるALIの『TEENAGE CITY RIOT』と、シリーズを象徴する名曲『Twister』を題材に、「街の空気感をどう音に変換するか」を、作曲家視点で分析していきます。
混沌をグルーヴに変える:『TEENAGE CITY RIOT』分析
多国籍バンドALIが手掛けた『TEENAGE CITY RIOT』は、まさに渋谷という街が持つ「雑多なエネルギー」を体現した楽曲です。アニメのオープニング映像では、グラフィティアートのような色彩と共に、キャラクターたちが渋谷の街を疾走します。ここで注目すべきは、映像のスピード感と同期するBPMと、ジャンルを横断するミクスチャー・サウンドの構築方法です。
街のノイズを切り裂くカッティング・ギターとブラスセクション
この楽曲の核となっているのは、ファンクやソウルにルーツを持つ鋭いカッティング・ギターと、攻撃的なブラスセクション(管楽器)です。イントロから鳴り響くこれらの生楽器のサウンドは、スクランブル交差点の騒音や、行き交う人々の「焦燥感」を音楽的に表現しています。
DTM的な視点で見ると、ベースラインにはあえて少し粗さを残した歪み(ディストーション)成分が含まれており、これが「綺麗なだけの都会」ではない、渋谷の路地裏にあるダークな側面=「死神のゲーム」の理不尽さを強調しています。あえて音を汚すことで、リアリティのある空気感を作り出している好例です。
渋谷の「ループ」する日常:名曲『Twister』の魔力
『すばらしきこのせかい』といえば、石元丈晴氏による劇伴も欠かせません。中でも『Twister』は、ゲーム版からアニメ版に至るまで、形を変えながらこの作品のアイデンティティを支え続けています。
ジャンルレスなコード感が生む浮遊感
『Twister』の面白さは、ヒップホップ、ロック、トランスといったジャンルの境界線をあえて曖昧にしている点にあります。特定のジャンルに収まらないそのサウンドは、多様な価値観が混ざり合う渋谷そのものです。
特に注目したいのが、執拗に繰り返されるリフレイン(反復フレーズ)です。音楽理論において「反復」は、聴き手にトランス状態や高揚感を与える効果があります。この楽曲が持つループ感は、物語の中で「繰り返される7日間」という時間の檻(おり)を暗示しているようにも聞こえます。シンプルなコード進行の上で、ボーカルや楽器が複雑に絡み合う構成は、ミニマル・ミュージックの手法をポップスに落とし込んだ、非常に洗練されたアプローチです。
【実践】渋谷の空気感をDTMで再現するには?
では、私たちがDTMでこのような「都会の喧騒と疾走感」を表現するにはどうすればよいでしょうか。ここで重要になるのが、JBG音楽院が提唱するDTAM(Desktop and Analog Music)の考え方です。
DTAMとは、PCでの緻密なプログラミング(Desktop)に、アナログ楽器の持つ人間味や空気感(Analog)を融合させる制作スタイルのことです。
例えば、『TEENAGE CITY RIOT』のようなノリを出したい場合、ドラムやベースの土台はDAW(作曲ソフト)上でタイトに打ち込みます(グリッドに正確に合わせる)。しかし、その上に乗せるギターのカッティングや、トップノートのシンセサイザーには、あえてタイミングを微妙にずらしたり、アナログ機材を通したようなサチュレーション(倍音付加)を加えたりします。
「正確すぎるデジタル」と「揺らぎのあるアナログ」を意図的に衝突させることで、渋谷の街のような「カオスな熱量」が生まれるのです。単にサンプル音源を並べるだけでは出せない、プロのグルーヴはここで決まります。
まとめ:熱気の隣で、冷静に音を紡ぐ
『すばらしきこのせかい』の音楽が素晴らしいのは、渋谷という街の表層だけでなく、その裏にある感情や衝動までをも音で描いているからです。プロの作曲家は、目に見える景色だけでなく、その場の「空気」をキャプチャして音符に変換します。
私たちが拠点を置くJBG音楽院 池尻大橋校は、まさにその渋谷から田園都市線でわずか1駅の場所にあります。
渋谷の熱気やトレンドを肌で感じられる距離にありながら、制作に没頭できる落ち着いた環境と、プロ仕様のスタジオ設備がここにはあります。流行の最先端エリアからインスピレーションを受け、それをすぐにスタジオで形にする。そんなクリエイティブなサイクルを回すのに、これ以上の立地はありません。
「なんとなく曲を作る」のではなく、「街の空気を切り取る」ような鋭い感性を、私たちと一緒に磨いていきませんか?
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