EQ職人への道!特定の周波数帯域を正確に聴き分けるための実践的EQトレーニング法
「ミックスで音がこもっている気がするけれど、どの帯域をカットすればいいのか分からない」「プリセットのEQを適用してみたけれど、自分の曲には合っていない気がする」
DTMでミックスを行う際、EQ(イコライザー)は最も基本的かつ強力なツールですが、その扱いには「確かな耳」が求められます。画面上のグラフを見てなんとなく操作するのと、耳で周波数の特徴を捉えて意図的に操作するのとでは、仕上がりに雲泥の差が生まれます。
EQを自在に操る「EQ職人」になるための第一歩は、プラグインの操作方法を覚えることではなく、「周波数帯域ごとの音のキャラクター」を耳で記憶することです。
この記事では、特定の周波数帯域を正確に聴き分けるための実践的なトレーニング方法と、各帯域が持つ音色の特徴について解説します。エンジニアのような「分析的な耳」を手に入れ、ミックスの迷宮から脱出しましょう。
EQトレーニングの基本:まずは「主要なポイント」を知る
人間の可聴域(20Hz〜20kHz)すべてを細かく聴き分ける必要はありません。まずは、ミックスで頻繁に操作する「主要な5つのポイント」の特徴を言語化して覚えましょう。
- 超低域(〜60Hz):「重み」「地響き」。体で感じる帯域。
- 低中域(200Hz〜500Hz):「厚み」または「こもり」。ここが多いとモコモコし、少ないとスカスカになります。
- 中域(800Hz〜2kHz):「芯」「アタック」。人間が最も敏感な帯域で、音の輪郭を決定づけます。
- 中高域(3kHz〜6kHz):「硬さ」「痛さ」。ここを上げると音が前に出ますが、やりすぎると耳に刺さります。
- 高域(10kHz〜):「空気感」「きらびやかさ」。音の抜けや艶に関わります。
実践トレーニング1:ピンクノイズを使った「ブースト&スイープ」
最も客観的で効果的なトレーニング法の一つです。DAWにテストトーン(ピンクノイズ)を立ち上げて行います。
手順
- DAWでピンクノイズを再生します(音量に注意してください)。
- EQを立ち上げ、任意の帯域(例:1kHz)を狭いQ幅(バンド幅)で極端にブースト(+10dB以上)します。
- その状態で周波数ノブを左右にゆっくり動かし(スイープし)、音がどのように変化するかをじっくり聴きます。
「ゴー(低域)」→「モー(低中域)」→「コー(中域)」→「サー(高域)」→「シー(超高域)」といった、母音の変化のような音色の移り変わりを体感してください。これを毎日数分行うだけで、周波数に対する感度が劇的に上がります。
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実践トレーニング2:既存曲を使った「ブラインドEQテスト」
普段聴いている音楽を使って、クイズ形式で行うトレーニングです。
手順
- DAWに好きな曲(リファレンス曲)を読み込みます。
- EQを立ち上げ、目を閉じて(または画面を見ずに)適当な周波数をブーストまたはカットします。
- 「今、音がどう変わったか?」を推測します。(例:「ボーカルが引っ込んだから1kHzあたりをカットしたかな?」「音がこもったから高域を削ったかな?」)
- 目を開けて答え合わせをします。
最初は大きく外しても構いません。「自分の感覚」と「実際の数値」のズレを修正していく作業が重要です。
実践トレーニング3:楽器ごとの「おいしい帯域」を探す
楽器にはそれぞれ、その楽器らしさを決定づける「おいしい帯域(スウィートスポット)」と、邪魔になりやすい「不要な帯域」があります。
キック(バスドラム)の場合
60Hz付近をブーストすると重みが増し、3〜4kHz付近をブーストすると「バチッ」というアタック音(ビーター音)が強調されます。逆に、200〜400Hz付近をカットすると、スッキリとしたモダンなサウンドになります。
ボーカルの場合
200Hz付近の「モヤッ」とする成分を少しカットし、3〜5kHz付近を少し持ち上げて「歌詞の明瞭度(プレゼンス)」を上げることが一般的です。自分の声や録音素材を使って、どこを触ると声が前に出てくるか実験してみましょう。
JBG音楽院が推奨する「耳と理屈の統合」
EQは「感覚」だけで操作するものでも、「数値」だけで操作するものでもありません。「この楽器のここの帯域が他の楽器とぶつかっているから、3dBカットしよう」というように、聴こえた音を論理的に処理する能力が必要です。
JBG音楽院のカリキュラムでは、こうしたエンジニアリングの基礎知識を作曲の授業と並行して学ぶことで、デモ音源の段階からクオリティの高い、説得力のある作品を作れるクリエイターを育成しています。
まとめ:EQは「音の彫刻」である
今回は、周波数帯域を聴き分けるためのEQトレーニング法を紹介しました。
- 主要な5つの帯域の特徴(重み、厚み、芯、硬さ、空気感)を覚える。
- ピンクノイズで周波数の変化を体感する。
- 既存曲でブラインドテストを行い、感覚をチューニングする。
EQは、不要な部分を削り、必要な部分を磨き上げる「彫刻」のような作業です。今日から、音楽を聴くときに「今、ベースのどの帯域が気持ちいいのかな?」と少しだけ意識を向けてみてください。その積み重ねが、あなたを確かな腕を持つ「EQ職人」へと導いてくれるはずです。
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