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ストリングス打ち込みの極意!「ボウイング」と「Divisi」で脱・機械音

2026.01.06

ストリングス打ち込みの極意!「ボウイング」と「Divisi」で脱・機械音

「ストリングス音源を鳴らしても、なぜかシンセサイザーのように平坦に聞こえる」
「壮大な和音を弾いているはずなのに、ただ音が団子になってうるさいだけ」

DAWで劇伴やポップスを作る際、ストリングス(弦楽器)のリアリティが出せずに悩んでいませんか?

高価な音源を使っても「生っぽさ」が出ない最大の原因。それは、ピアノ鍵盤で弾いたデータをそのままにしているからです。実際の弦楽器奏者は、鍵盤を叩いているのではなく、「弓(ボウ)」を使って弦を擦っています。

この記事では、独学では見落としがちなストリングスアレンジの核心技術、「ボウイング」の意識と「Divisi(ディヴィジ)」の処理について解説します。鍵盤の発想を捨てて、指揮者の視点で打ち込みを考え直してみましょう。

そのフレーズ、息継ぎしていますか?「ボウイング」の魔術

ピアノやギター経験者が陥りやすいのが、音が永遠に持続する「オルガン弾き」のような打ち込みです。

しかし、バイオリンなどの弦楽器には「弓の長さ」という物理的な限界があります。一度のボウイング(運弓)で弾ける長さには限りがあり、必ず「返し」が発生します。

「上げ弓」と「下げ弓」で表情が変わる

DTM上でも、この「弓の動き」をシミュレートすることで、フレーズに命が宿ります。

  • ダウンボウ(下げ弓):重力が乗るため、アタックが強く、しっかりした音になる。拍の頭や強拍で使われます。
  • アップボウ(上げ弓):音が弱く始まり、クレシェンドしていくようなニュアンスが出やすい。弱拍や、次の小節へのアウフタクトで使われます。

CC11(Expression)やCC1(Modulation)オートメーションを書く際は、ただ波を描くのではなく、「今、奏者は弓をどう動かしているか?」を想像してみてください。それだけで、ベタ打ちのデータが「演奏」へと変わります。

音が濁る諸悪の根源。「Divisi」を知っていますか?

「迫力を出したいから」といって、First Violinのトラックで3和音(ド・ミ・ソ)をジャーンと弾いていませんか?実はこれ、オーケストラ的には「ありえない状態」を作り出しています。

「人数の倍増」を防ぐ

一般的なオーケストラのFirst Violinセクションが14人だとします。このトラックで3和音を弾くと、DAW上では「14人がド、14人がミ、14人がソ」を弾いていることになり、合計42人のバイオリニストが狭い空間にひしめき合っている音になります。

これが、DTMストリングスが「暑苦しく、シンセっぽく」なる最大の原因です。

実際の譜面では、14人の奏者を半分ずつ(あるいは3分割)に分けて演奏させます。これを「Divisi(ディヴィジ)」と呼びます。
DTMでリアルさを追求するなら、和音を一つのトラックで鳴らすのではなく、面倒でもトラックを分けて単音でラインを書くか、Divisiに対応した音源を使用する必要があります。

奏法(アーティキュレーション)を使い分ける

「Sustain(サステイン)」や「Legato(レガート)」のパッチだけで曲を作ろうとしていませんか?
弦楽器には多彩な奏法があり、これらを細かく切り替える(キースイッチ操作)ことが、表現力の要です。

  • Spiccato(スピッカート):弓を弦の上で跳ねさせる奏法。刻みや速いパッセージに使います。
  • Pizzicato(ピチカート):指で弦を弾く奏法。コミカルな場面やリズムのアクセントに必須です。
  • Tremolo(トレモロ):小刻みに弓を動かす奏法。サスペンスや緊迫感を演出します。

特にレガート奏法においても、音のつながり方(ポルタメントの有無など)を調整することで、まるで人が歌っているような艶やかさを表現できます。

「楽器の挙動」を知れば、世界が変わる

今回ご紹介した「ボウイング」や「Divisi」は、単なるDTMのテクニックではなく、クラシック音楽が数百年の歴史の中で培ってきた「楽器そのものの構造」に基づいています。

「理論の教則本を読んでも、DTMへの落とし込み方がわからない」「自分の曲には何かが足りないが、それが何かわからない」。そう感じている方は、基礎的な楽器法(オーケストレーション)の理解が不足している可能性があります。

JBG音楽院のカリキュラムでは、こうした楽器ごとの特性を座学で学ぶだけでなく、「それをDAWでどう再現するか?」という実践的なテクニックまでを体系的に指導しています。プロの講師が実際にどのようにCCカーブを描き、どう和音を配置しているか、画面を見ながら学ぶことができます。

「なんとなく」の打ち込みから卒業し、意図を持って「指揮」できるようになれば、あなたの作る劇伴は一気にプロクオリティへと近づきます。

まとめ

ストリングスアレンジにおける「リアルさ」とは、高音質なサンプリング音源を使うことだけではありません。

  • 鍵盤ではなく「弓の動き(ボウイング)」を意識してオートメーションを書く。
  • 和音を弾く際は「Divisi」を意識し、不自然な人数の倍増を防ぐ。
  • 場面に合わせて適切な「奏法(アーティキュレーション)」を選択する。

これらを意識するだけで、平坦だったストリングスパートに、奥行きと感情が宿るようになります。ぜひ次回の制作から取り入れてみてください。

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独学では気づけない「楽器の挙動」を知ることで、
あなたのDTMは劇的に進化します。


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