各楽器のリアルな奏法をDTMで再現!スタッカート、レガート、グリッサンド等を打ち込むコツ
「せっかく作った曲なのに、なんだかファミコンのような音に聞こえる…」「市販の楽曲のような、空気感や生々しさが足りない」DTMで作曲を始めたばかりの頃、誰もが一度はこの「打ち込みが機械っぽくなってしまう」という壁にぶつかります。高価なソフトウェア音源を買っても、ただ音符を並べるだけでは、プロのようなサウンドにはなりません。
その決定的な違いは、「楽器ごとの奏法(アーティキュレーション)の再現」にあります。ピアノのペダルワーク、ギターの弦が擦れる音、バイオリンの弓の動き。これらをMIDIデータで丁寧に表現することで、あなたの楽曲は見違えるほど豊かな表情を持つようになります。この記事では、各楽器の特徴的な奏法をDTMでリアルに再現するための具体的なテクニックを解説します。
1. DTMの表現力を決める「アーティキュレーション」とは?
音楽制作において、単にメロディとリズムが合っているだけでは「演奏」とは呼べません。音の強弱、長さ、立ち上がり、減衰、そして音と音の繋がり方。これらすべての要素を含んだ演奏技法のことを「アーティキュレーション」と呼びます。
プロのDTMerは、このアーティキュレーションをMIDIデータ(演奏情報)として緻密にプログラミングすることで、まるで人間が演奏しているかのようなリアリティを生み出しています。まずは、DTMにおける表現の3大要素を理解しましょう。
- ベロシティ(Velocity):音の強さ。単なる音量ではなく、楽器の音色の変化(強く弾くと硬くなるなど)も制御します。
- デュレーション(Duration):音の長さ。スタッカートやテヌートなど、音の切り際がグルーヴ感を決定づけます。
- MIDI CC(コントロールチェンジ):ペダル、ピッチベンド、エクスプレッションなど、音符以外の演奏表現を制御する信号です。
2. ピアノ:ダイナミクスとペダリングで「空気」を作る
ピアノはDTMで最も頻繁に使われる楽器ですが、それだけに「ベタ打ち(すべての音を均一に入力すること)」の機械っぽさが目立ちやすい楽器でもあります。
ベロシティのバラつきで人間味を出す
人間の指は機械ではないため、すべての音を全く同じ強さで弾くことは不可能です。あえてベロシティに微細なバラつきを持たせることで、演奏に「揺らぎ」が生まれます。特に、和音を弾く際は、トップノート(一番高い音=メロディライン)を少し強く、内声を少し弱く設定すると、響きが立体的になります。
サスティンペダル(CC64)の魔法
ピアノのリアリティを左右するのが、ダンパーペダル(サスティンペダル)の操作です。MIDIでは「CC64」で制御します。
初心者はON(127)とOFF(0)だけで切り替えがちですが、これでは音が不自然に途切れてしまいます。実際のピアニストは、コードが変わる瞬間にペダルを上げ、新しい音を弾いた直後にまた踏むという動作を行います。これをMIDIで描く際は、「次の小節の頭の音が鳴ったほんの少し後にペダルを踏む(数値を上げる)」ようにすると、音が濁らず、かつ滑らかに繋がります。
3. ギター・ベース:弦楽器特有の「繋がり」を意識する
ギターやベースは、鍵盤楽器とは全く異なる構造を持っています。「フレット」を押さえ、「弦」を弾くという物理的な制約を理解することが、リアルな打ち込みの第一歩です。
レガート奏法(ハンマリング・プリング)の再現
ギターの「ハンマリング・オン」や「プリング・オフ」といった滑らかな演奏(レガート)を再現するには、MIDIノートを少しだけ重ねる(オーバーラップさせる)のがコツです。多くのギター音源は、ノートが重なった部分を自動的にレガート奏法として処理してくれる機能を持っています。
Point: ギターの弦は6本しかありません。同じ弦で同時に2つの音を鳴らすことは不可能です。和音を打ち込む際は、実際にギターで押さえられる構成音かどうかを意識しましょう。
グリッサンドとスライド
「キュイーン」と音程を滑らかに移動させるスライドやグリッサンド。これには2つのアプローチがあります。
- ピッチベンドを使う: 半音〜1音程度の短いスライドに適しています。
- キースイッチ/専用奏法を使う: 多くのギター音源には、派手なグリッサンド専用のサンプルが収録されています。MIDIキーボードの低音域や高音域に割り当てられた「キースイッチ」を押すことで、通常の演奏音からグリッサンド音へ瞬時に切り替えることができます。
4. ストリングス・ブラス:息づかいと弓の動きを描く
バイオリンなどのストリングス(弦楽器)や、トランペットなどのブラス(管楽器)は、「持続音」の表現が命です。ピアノのように「ポン」と弾いて終わりではなく、音が鳴っている間の抑揚が重要になります。
エクスプレッション(CC11)で「膨らみ」を作る
管弦楽器の打ち込みで最も重要なのが、エクスプレッション(CC11)またはモジュレーション(CC1)です。これを使って、音の入りを柔らかくしたり、音の終わりを自然にフェードアウトさせたりします。
例えば、ストリングスのロングトーンでは、山なりのカーブを描くようにCC11を動かすことで、弓を動かして音量が変化する様子(スウェル)を表現できます。これが直線のままだと、非常に人工的な「シンセサイザーの音」になってしまいます。
キースイッチで奏法を切り替える
ストリングスには多彩な奏法があります。これらをキースイッチで細かく切り替えることが、プロの技です。
- レガート(Legato): 滑らかに音を繋ぐ。メロディラインに使用。
- スタッカート(Staccato): 音を短く切る。リズムを刻むバッキングに使用。
- ピチカート(Pizzicato): 指で弦を弾く。コミカルな表現やアクセントに。
- トレモロ(Tremolo): 小刻みに演奏する。緊迫感のあるシーンに。
これらを、1つのトラック内でフレーズに合わせて頻繁に切り替えることで、生演奏のような表情が生まれます。
5. ドラム:グルーヴを生む「ゴーストノート」
ドラムの打ち込みで初心者が陥りがちなのが、「すべての太鼓をフルパワーで叩いてしまう」ことです。これではうるさいだけで、グルーヴ(ノリ)が出ません。
ドラマーは、メインのリズム以外に、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな音(ゴーストノート)をスネアなどで入れて、リズムの隙間を埋めています。MIDIでは、ベロシティを極端に小さく(例えば20〜40程度)したスネアを、8分音符や16分音符の裏に入れることで、楽曲に疾走感と人間味を加えることができます。
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6. 「楽器を知る」ことが最短の近道
ここまで様々なテクニックを紹介してきましたが、究極的にリアルな打ち込みをするための近道は、「実際の楽器の構造や奏法を知ること」です。
「ギターでは物理的にこのフレーズは弾けない」「ドラマーの手は2本、足は2本しかない」といった現実的な制約を知っているだけで、MIDIデータの作り方は劇的に変わります。
JBG音楽院では、DTAM(Desktop and Analog Music)という理念のもと、パソコン上でのDTM技術だけでなく、実際にアナログ楽器に触れ、その構造や演奏感を身体で学ぶことを推奨しています。楽器の「リアル」を知ることで、DTMというデジタルのキャンバスに、より鮮明で感動的な音楽を描くことができるようになるのです。
まとめ:細部に宿る「魂」がリスナーの心を動かす
DTMにおける楽器奏法の再現について、主要なテクニックを解説しました。
- ピアノ:ペダルのON/OFFタイミングとベロシティの揺らぎを意識する。
- ギター/ベース:ハンマリングなどの奏法や、弦の物理的制約を考慮する。
- 管弦楽器:エクスプレッション(CC11)で音の強弱を描き、キースイッチを駆使する。
- ドラム:ゴーストノートを活用し、人間らしいグルーヴを作る。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、これらの細かな調整(エディット)の積み重ねこそが、楽曲に「魂」を宿し、聴く人の心を動かすクオリティへと繋がります。「神は細部に宿る」という言葉通り、丁寧な打ち込みは必ずリスナーに伝わります。ぜひ、今日から1トラックずつでも、こだわりのエディットを実践してみてください。
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