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【コライト権利・契約編】楽曲共作における著作権の取り扱いと収益分配の基礎知識

2025.07.05

【コライト権利・契約編】楽曲共作における著作権の取り扱いと収益分配の基礎知識

「コライトで曲を作ってみたいけど、権利とかお金の話って、なんだか難しそう…」「もし曲がヒットしたら、印税の分配ってどうなるんだろう?」「友達と曲を作るとき、契約書なんて作った方がいいの?」そんな、クリエイティブな作業とは少し違う、現実的なお金や権利の問題に不安を感じていませんか?コライトで制作した楽曲の権利関係を事前に明確にしておくことは、後のトラブルを避け、良好な協力関係を維持するために非常に重要です。楽しいはずの共同制作が、お金の問題でギクシャクしてしまったら、これほど悲しいことはありません。この記事では、楽曲共作における著作権(作詞・作曲・編曲の取り分など)の基本的な考え方、収益分配の一般的なルール、そして契約書を作成する際の注意点などを分かりやすく解説します。JBG音楽院では、クリエイターが自身の権利を守ることの重要性も伝えています。正しい知識を身につけて、安心して創作活動に打ち込みましょう。

なぜコライトの「権利関係」の事前合意が絶対に重要なのか?

音楽制作はクリエイティブな活動ですが、それが「仕事」である以上、権利やお金の問題は決して避けて通れません。特に、複数のクリエイターが関わるコライトにおいて、作業を始める前に権利関係をクリアにしておくことは、プロジェクトを成功に導くための絶対条件と言えます。

「仲が良いから大丈夫」「売れてから考えればいい」といった安易な考えは、将来的に大きなトラブルの火種となります。最初は純粋な創作活動でも、いざ楽曲がヒットして収益が発生した途端、「自分の方が貢献度は高いはずだ」といった感情的な対立が生まれ、人間関係まで壊れてしまうケースは後を絶ちません。プロの現場では、信頼関係を築き、長期的に協力していくためにも、最初に「ルール」を明確にすることが鉄則です。この共同制作というスタイルそのものの理解を深めるためには、当音楽院のブログ記事である「コライトとは?メリット・デメリットと共作でヒット曲を生み出す進め方」も非常に参考になります。

コライトにおける著作権の基礎知識:誰にどんな権利がある?

楽曲が完成すると、そこには「著作権」という法的な権利が発生します。コライトにおいては、この権利の扱いを理解することが非常に重要です。

1. 著作権(財産権)とは?:楽曲が生み出すお金の権利

著作権とは、楽曲の利用を許可したり、禁止したりできる権利のことで、他人に譲渡したり、売買したりできる「財産権」としての一面を持ちます。具体的には、CDを作る権利(複製権)、ライブで演奏する権利(演奏権)、インターネットで配信する権利(公衆送信権)などが含まれます。JASRAC(日本音楽著作権協会)のような管理団体は、これらの権利を著作者に代わって管理し、使用料を徴収して分配する役割を担っています。

2. 著作者人格権とは?:作者の名誉や思いを守る権利

著作権とは別に、著作者には「著作者人格権」という、一身専属(他人に譲渡できない)の権利も認められています。これには、自分の作品を公表するかどうかを決める権利(公表権)、自分の名前を表示する権利(氏名表示権)、そして自分の意に反して作品を改変されない権利(同一性保持権)が含まれます。これは、クリエイターとしての名誉や、作品に込めた思いを守るための非常に重要な権利です。

3. 共有著作物としての考え方

コライトによって作られた楽曲は、参加したクリエイター全員が著作権を共有する「共有著作物」となります。法律上、共有著作物を利用(例:CD化、配信など)するには、共有者全員の合意が必要です。誰か一人が勝手に楽曲を売ったり、利用を許可したりすることはできません。だからこそ、事前に全員でルールを決めておくことが不可欠なのです。

楽曲共作における印税分配のルール:どうやって分けるのが一般的?

クリエイターにとって最も気になるのが、収益の分配、すなわち印税の分配ルールでしょう。これにはいくつかの一般的な考え方があります。

基本は「均等分配」:貢献度に関わらず参加人数で割る

最もシンプルで、多くのプロの現場で採用されているのが、参加したクリエイターの頭数で均等に分配する方法です。例えば、作詞家1人、作曲家2人(トップライナーとトラックメイカー)の合計3人で制作した場合、作詞の権利は作詞家が100%、作曲の権利は作曲家2人で50%ずつ分け合う、といった形です。「自分の方が貢献したのに…」といった感情的な対立を避け、チームワークを円滑にするための、非常に実践的なルールと言えます。

貢献度に応じた分配:役割によって比率を変えるケース

場合によっては、貢献度に応じて分配の比率を変えることもあります。例えば、メロディとコード進行の大部分を作った人が60%、アレンジとトラック制作を担当した人が40%というように、事前に話し合って合意します。この方法を取る場合は、誰がどの部分にどれだけ貢献したのかを客観的に判断する必要があり、より丁寧なコミュニケーションが求められます。コライトにおける各役割の具体的な仕事内容については、当音楽院のブログ記事である「【コライト役割分担編】トップライナーとトラックメイカー:それぞれの必須スキルと連携のコツ」も参考にしてみてください。

編曲(アレンジ)の扱い:著作権と著作隣接権

編曲(アレンジ)は、著作権法上、元の楽曲を元にした「二次的著作物」と位置づけられます。そのため、編曲家にも著作権が発生しますが、印税分配の対象となるかどうかはケースバイケースです。多くの場合、編曲家は印税分配には加わらず、代わりに編曲料としてまとまった報酬を受け取る「買い取り」契約が一般的です。ただし、これも契約内容によりますので、事前にしっかりと確認が必要です。

トラブルを未然に防ぐ、作曲契約書の重要ポイント

口約束はトラブルの元です。信頼できる仲間とのコライトであっても、合意した内容は簡単なものでも良いので、書面に残しておくことを強く推奨します。

契約書に最低限盛り込むべき項目

作曲契約書のひな形はインターネットでも探せますが、最低限、以下の項目は必ず全員で確認し、明記するようにしましょう。

  • 楽曲タイトル: 対象となる楽曲を特定します。
  • 共同著作者の氏名: 参加したメンバー全員の正式名称を記載します。
  • 各々の担当パート: 誰が作詞、作曲(メロディ)、作曲(コード・トラック)などを担当したかを明記します。
  • 著作権の分配率(スプリット): 最も重要な項目です。「作詞:50%、作曲:50%とし、作曲の権利はAとBで25%ずつとする」のように、具体的に記載します。
  • クレジット表記の順番と方法: CDや配信サービスなどで表示される作詞・作曲者名の順番などを決めておきます。
  • 契約日と全員の署名・捺印: 全員が合意した証として、日付と署名・捺印を残します。

作成のタイミング:必ず「制作開始前」に

契約書を作成する最も良いタイミングは、本格的な楽曲制作を「始める前」です。楽曲が完成し、素晴らしい作品ができた後では、かえってお金や権利の話がしにくくなるものです。最初にビジネスライクな話を済ませておくことで、全員が安心してクリエイティブな作業に集中できます。

JBG音楽院で学ぶ、クリエイターとしての権利意識

JBG音楽院では、優れたクリエイターであると同時に、自分の権利をしっかりと守り、ビジネスの世界で賢く立ち回れる「プロフェッショナル」を育成することも重要だと考えています。私たちのカリキュラムでは、作曲やDTMの技術指導と並行して、著作権に関する基本的な知識や、契約時に注意すべき点など、クリエイターが活動していく上で不可欠なリテラシーについても指導しています。

また、JBG音楽院の「キャリア支援」の一環として、実際の制作案件に関わる機会も提供しており、その中でプロの現場での権利関係の扱いや、契約の実際を学ぶこともできます。
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まとめ:共作の力で、あなたの音楽の可能性を解き放とう

楽曲共作における著作権の取り扱いや、収益分配の基礎知識について解説してきました。コライトという制作スタイルがもたらすクリエイティブな恩恵を最大限に享受するためには、権利関係を事前に明確にし、参加メンバー全員が納得するルールを作っておくことが何よりも大切です。これは、互いの才能へのリスペクトの証であり、良好なパートナーシップを長期的に維持するための「お守り」のようなものです。

JBG音楽院では、クリエイターが自身の権利を守ることの重要性も伝えています。この記事を参考に、正しい知識を身につけ、法的な不安を解消し、安心して最高の音楽制作に打ち込んでください。まずは、一緒に曲作りをしてみたいと思う友人に、「もし曲ができたら、権利ってどうする?」と、この話を切り出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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