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【CMクライアントワーク編】広告代理店・制作会社との円滑なコミュニケーションと修正対応術

2025.07.02

【CMクライアントワーク編】広告代理店・制作会社との円滑なコミュニケーションと修正対応術

「念願のCM音楽コンペに採用された!でも、クライアントとのやり取りってどうすればいいんだろう…」「広告代理店からの修正指示が抽象的で、何を直せば良いのか分からない」「度重なる修正依頼に、心が折れそう…」そんな、仕事を受注したからこその新しい壁に悩んでいませんか?CM音楽制作は、クライアントの意向を正確に汲み取り、期待を超える作品を提供することが求められるクリエイティブなチームワークです。作曲家としてのスキルはもちろんのこと、円滑なコミュニケーション能力やプロフェッショナルな対応力が、プロジェクトの成功と、次の仕事に繋がる信頼を勝ち取るための鍵となります。この記事では、初回の打ち合わせでのヒアリングポイント、的確なデモ提案、そして度重なる修正依頼にも柔軟かつプロとして対応するための具体的なコミュニケーション術と心構えを解説します。JBG音楽院では、プロとしての立ち振る舞いも指導していますので、ぜひ参考にしてください。

なぜ作曲家にはコミュニケーション能力が問われるのか?

「良い音楽さえ作っていれば、それでいいはずだ」そう考える方もいるかもしれません。しかし、CM音楽制作は、自分の芸術性を追求するアーティスト活動とは異なり、クライアントの商品やサービスを世の中に広めるための「課題解決」という側面を強く持っています。クライアントにとって、あなたは音楽制作のプロフェッショナルであると同時に、プロジェクトを成功に導くための大切なビジネスパートナーなのです。

どんなに素晴らしい楽曲でも、クライアントの意図やCMの企画意図から外れていては、採用されることはありません。クライアントの抽象的なイメージを具体的な音楽に変換し、度重なる修正依頼にも的確に応え、プロジェクトを円滑に進める。その全てのプロセスにおいて、高度なコミュニケーション能力が不可欠となります。信頼される作曲家は、音楽的才能だけでなく、人としての信頼性も非常に高いのです。このようなCM音楽制作の全体像については、当音楽院のブログ記事である「秒単位で心掴むCM音楽の世界!制作の裏側とコンペで勝つための秘訣」でも詳しく解説しています。

初回打ち合わせ(オリエン)を制する!的確なヒアリング術

プロジェクトの成否は、最初の打ち合わせで半分決まると言っても過言ではありません。ここでクライアントの要望をどれだけ深く、正確に引き出せるかが、後の手戻りを減らし、スムーズな制作に繋がります。

「誰に、何を、どう伝えたいか」を深掘りする

クライアントが提示するオリエンシート(依頼書)に書かれている情報を鵜呑みにするだけでなく、その裏側にある「本当の目的」をヒアリングすることが重要です。以下の点を意識して質問してみましょう。

  • ターゲット層:このCMは、どんな年齢・性別・ライフスタイルの人に見てもらいたいですか?
  • コアメッセージ:このCMを通じて、視聴者に最も伝えたいことは何ですか?(例:「品質の高さ」「手軽さ」「楽しさ」など)
  • ブランドイメージ:この商品や企業が持つ、あるいは目指しているブランドイメージはどのようなものですか?(例:「高級感」「親しみやすさ」「先進性」など)

抽象的な要望を具体的な音楽言語に翻訳する

クライアントは音楽の専門家ではないため、「キラキラした感じで」「エモい感じで」といった抽象的な言葉で要望を伝えることがよくあります。これを具体的な音楽に落とし込むのが作曲家の腕の見せ所です。「『キラキラ』というのは、例えばシンセベルのような高音域の楽器の音でしょうか?それとも、速いテンポのピアノアルペジオのようなイメージでしょうか?」といったように、具体的な音楽要素に分解して質問を重ね、イメージの解像度を上げていきましょう。参考となる既存曲(リファレンス曲)をいくつか挙げてもらうのも、イメージ共有のための非常に有効な手段です。

納期・予算・権利関係の確認を怠らない

クリエイティブな話と同時に、ビジネスとしての確認も非常に重要です。デモ音源の提出期限、最終的な納品日、報酬、そして制作した楽曲の著作権がどうなるのか(買い切りか、印税契約かなど)といった点は、必ず最初の段階で明確にしておきましょう。

CM音楽の修正指示にプロとして対応する心構えとテクニック

クライアントワークにおいて、修正依頼はつきものです。時には理不尽に感じるような要求もあるかもしれません。しかし、それに対する対応の仕方で、あなたのプロフェッショナルとしての真価が問われます。

心構え:修正依頼は「否定」ではなく「共同作業」

まず最も大切な心構えは、修正依頼を「自分の音楽への否定」と捉えないことです。クライアントは、あなたを困らせようとしているわけではありません。彼らは、広告のプロとして、より商品が売れる、よりブランドイメージが向上するCMを作るために、あなたと「共同作業」をしているのです。この視点を持つだけで、修正依頼に対する精神的な負担は大きく軽減されます。

テクニック1:修正指示の「真意」を汲み取る

「ここのギター、もっと元気に弾けませんか?」という指示の裏には、「全体的にもっと明るい印象にしたい」という真意が隠れているかもしれません。表面的な言葉だけを捉えてギターの音量を上げるだけでなく、「承知いたしました。ちなみに、全体的にもっと明るい雰囲気がご希望でしたら、ピアノのコードを少しリズミカルにしたり、ベースラインを跳ねる感じにしたりするアプローチも可能ですが、いかがでしょうか?」といったように、指示の真意を探り、複数の解決策を提案できると、クライアントからの信頼度は格段に上がります。

テクニック2:複数パターンの修正案を提示する

一つの修正指示に対して、常にいくつかのバリエーションを提示する癖をつけましょう。例えば、「A案:ご指示通りにミニマムに修正したもの」「B案:ご指示の意図を汲み取り、さらに一歩踏み込んで大胆にアレンジし直したもの」のように、複数の選択肢を用意することで、クライアントは比較検討しやすくなり、あなたの提案力もアピールできます。

テクニック3:できないことは、代替案と共に正直に伝える

時には、技術的・音楽的に困難な要求や、納期的に不可能な修正依頼が来ることもあります。その場合は、ただ「できません」と断るのではなく、「その修正は〇〇という理由で難しいのですが、代わりに△△というアプローチはいかがでしょうか?こちらであれば、ご希望のイメージに近い形で、かつクオリティを担保できます」といったように、必ずプロとしての代替案をセットで提示することが重要です。これにより、単なる「できない人」ではなく、「問題解決能力のあるパートナー」として認識してもらえます。

JBG音楽院で学ぶ、プロとしての立ち振る舞い

JBG音楽院では、作曲やDTMといった音楽制作スキルだけでなく、このようなクライアントワークで求められるプロフェッショナルな立ち振る舞いについても、日々の指導の中で学ぶことができます。私たちの教育の根幹にあるのは、単なる技術指導ではなく、自立した音楽クリエイターを育成することです。

JBG音楽院が重視する「反転学習サイクル」(講義→課題→講師フィードバック)は、まさにクライアントワークのシミュレーションです。講師からの的確なフィードバックに対して、その意図を汲み取り、修正案を再提出する。このプロセスを繰り返すことで、自然とプロの現場で求められる対応力が身についていきます。また、JBG音楽院の「キャリア支援」では、実際の仕事に近い形での制作案件に挑戦する機会もあり、実践を通じてプロとしてのコミュニケーション能力を養います。
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まとめ:信頼されるパートナーとなり、継続的な仕事を掴もう

広告代理店や制作会社との円滑なコミュニケーションと、的確な修正対応術について解説してきました。CM音楽の仕事は、一度きりの制作で終わることは稀です。一つのプロジェクトで高い評価を得て、「この人となら、また一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような信頼関係を築くことが、継続的な仕事の依頼に繋がります。

キーメッセージでお伝えした通り、クライアントの意図を正確に汲み取り、期待を超える作品を提供することが求められるクリエイティブなチームワークこそが、CM音楽制作の本質なのです。この記事で紹介したコミュニケーション術や心構えを参考に、あなたもクライアントから信頼されるパートナーを目指してください。その姿勢が、あなたの作曲家としてのキャリアを、より豊かで確かなものにしてくれるでしょう。

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